ノウハウはただ?

会社の品格

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最近、私が以前に経験したことと同じようなことが、ある会社の社長さんとお話しているときに出たので、そのことを述べたいと思います。

10年に近く前になるのですが、複写機メーカーで、あるユニットについて、どうしても目標コストを大きくオーバーしてしまうことがあって、何とか検討して欲しいとの依頼を受けました。

その打合せの結果、その会社で算出されていた当初のユニット価格の約3分の1ほどの金額までに引き下げることができました。

そのときに、そのユニットを作るにあたって一緒に検討いただいた会社があり、その会社のノウハウを利用していましたので、その会社を使っていただきたいとお願いしました。

複写機メーカーでは、製品開発部門の担当者から資材部門にその会社を紹介してくれました。

しかし、資材部門では、設計部門から提供された図面を利用して、他社に指値で依頼して、安く作らせようとしたのです。

この結果、私の提案した価格よりも安くユニットを購入しました。

しかし、外注先から半年も経たずに値上げ依頼が出されたのです。

それは、私が紹介した会社の持っているノウハウを複写機メーカーの外注先は持っていなかったのです。

複写機メーカーでは、結局高い買い物をしたのです。

この結果について、知っている者はほんの一部の社員だけです。そして、知っている方たちは、口をつぐんでいます。

この複写機メーカーは、これに似たようなことを私が訪問した会社でも、3年ほど前に起こしていたのです。

こちらでは、装置そのものを設計して製作・納入することになっていたのですが、設計した装置の図面関係の提出を複写機メーカーから依頼され、渡しました。

そして、ある日突然に、複写機メーカーの資材部門から半分以下の価格で作れという指値が出されたそうです。

当然、そのような価格で作れるはずも無く、無理である主旨を伝えたら、連絡がなくなり、設計した装置と全く同じものが複写機メーカーの工場にあったのです。

このため、この会社の社長は、自社の図面を使って装置を作ったのではないかとクレームを出したのですが、資材部門の課長は、自社内で作ったもので、貴社との関係はないと答えたそうです。

最終的に複写機メーカーの設計課長が、提出した図面を使ったことを認めて設計費用を支払うことになったそうです。

それ以降、この社長さんは、複写機メーカーと取引を止めたそうです。

複写機メーカーは、現在新聞などに業績好調で掲載されています。しかし、優れたノウハウを持つ会社を1社失ったのです。

日本の大手の会社では、このようにノウハウはタダであると考え手いるところがあります。それは、金型でも同じです。

しかし、取引先が去ってしまうことで、そのノウハウが無くなっていくことを忘れているように思います。

本来のコストダウンは、ノウハウを作っていくことにあります。間違っても、このようなコストダウンはすべきでないと思います。

また、受注する会社では、これから自社のノウハウを提供するにあたって、しっかりと契約書を取り交わすことが必要になるでしょう。

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製品のコストダウンをどのように進めたらよいのか企業の第一の目的は、利益の獲得にあります。その経営活動は、結果として数字で表れされます。企業が、維持存続し、成長していくためには、この数字のからくりを理解し、経済性を高めることが大切です。それは、ただ数字を眺めているだけでは分かりません。やはり、経営活 …

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  • コンサルタント:経営
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