人事制度の改革で「燃える集団」に変貌

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お客様の悩み、相談内容

事例は、都内の社員規模80名の情報通信会社A社。

同業社の多くが売上確保、人材確保に頭を悩ましている中、A社においても、2年前から優秀な人材の流出と売上低下が始まっていました。

当時の社長の悩みの要点を列挙すると・・・、

(1) 当社の社員は、自分で自分の能力の限界を決めつけて、それ以上のとをやろうとしない。いつも出る言葉は、「難しいですね」「私には無理す」「経験がないので・・・」。


(2)組織・個人共に潜在的なポテンシャルはそれなりのものがあると思うが、コミュニケーションの悪さ、モチベーションの低さは、職場全体の業務効率や受注率にも影響が出始めて、今期(当時)の売上・利益予算の達成はほとんど不可能な状態に。


(3)2年前から退職者が徐々に多くなり、この半年間(当時)で30代を中心に指導的立場にある社員の退職者数は8人に。


(4)明確な評価基準がなく、また、仕事の役割や責任があいまいになっていることも、悪化傾向の一因か・・・。


(5)いずれにしても、今のこのような状態から一日も早く抜け出したい。課題は分かっているが、何をどのように進めていけばいいのか?。会社としての体力が残っているうちに、人材育成を中心とした仕組みを作り上げ、業績の回復に努めたい。

 解決方法、提案内容

当社が提案したのは「人事評価制度」の改革提案。

と言ってもただ単に、評価の内容や賃金制度の見直しといったありきたりの制度改定ではありません。事例会社も、制度作りだけが目的ではなく、負け犬根性が蔓延った職場の意識を改革し、自らが前向きに行動を起こし、結果として人材育成と業績向上が実現できる「善の循環」作りが狙いです。

上記の相談・依頼内容を元に、当社が提案しサポートさせて頂いた内容とは、

(1)組織風土の診断と改善の方向性の整理〜全社員を対象にアンケートとヒアリングを実施。その上で、階層別・部門別に現状の問題点と  将来懸念される問題点を洗い出し、改善策を整理。


(2)ライフプランの策定〜会社の経営計画に社員自身の自己実現目標をどのように組み込んでいくか?。これは社員のモチベーションの源泉である。財産・家族・趣味・健康・ライフスタイルと共に、仕事の内容・役割・評価・収入など様々な要素で整理。


(3)キャリアの棚卸し〜今までの仕事を通じて、今どのようなキャリアがどの程度まで形成されているのか、今後どのようなキャリアを形成する必要があるのかを整理。


(4)人事評価制度の策定と運用の仕組み作り〜会社と社員の双方の改善課題を評価内容として設定し、やればやっただけ見返りのある処遇制度を策定。また、人件費総額管理の仕組み、等級別スキルマップ表の作成、目標管理の導入などにより、半期毎にコストパフォーマンスが把握できる仕組みを整備。

結果・効果

上記の仕組みを構築し、実質的な運用から1年が経過しましたが、下記のような成果が表れるまでになりました。

(1)組織風土の観点から〜「前向きの危機感・共通の価値観・自信と信頼・感謝の気持ち・高い欲求水準」の5つの要素   をベースに実施する組織風土診断を、当時とその1年後で実施した結果、下図のとおり相当な改善が見られた。尚、下記の(2)(3)(4)(5)にも好影響を与えている。


(2)人材育成の観点から〜特に、管理者層は部下指導マネジメント力の向上が顕著。また、キャリアの形成度合いを目で管理する仕組みを作り自己管理させることで、大部分の社員で自分のキャリアアップが着実に実現。


(3)業務生産性向上の観点から〜手戻り業務(やり直し業務)の発生率 : 「20%→10%」に半減〜客先満足度評価 :  「10点満点中6.5点→8.5点」に改善〜業務ノウハウの共有化率 : 「25%→70%」と約3倍増


(4)数値業績の観点から〜対前年比で、売上15%のアップ、1人当たりの売上30%アップ、営業利益15%アップを実現。


(5)以上の成果は、策定後の人事評価制度の確実な運用が大きく貢献。制度と運用そのものが当社のノウハウとなった。※下図は、組織風土診断の5つの要素の中のひとつの「前向きの危機感」を12パターンの観点で、経営陣・管理書層・一般層のそれぞれの意識レベルを表したもの。全階層の全てのパターンに大幅な改善が見られる。他の要素も同様に改善が見られた。

※下図は、組織風土診断の5つの要素の中のひとつの「前向きの危機感」を12パターンの観点で、経営陣・管理書層・一般層のそれぞれの意識レベルを表したもの。全階層の全てのパターンに大幅な改善が見られる。他の要素も同様に改善が見られた。

                

 

現在の取り組み・今後の方向性

社長より以下のようなコメントを頂いています。

◆1年前と比較し格段に社員が生き生きと仕事をするようになりました。

◆しかし、この1年間の取り組みは、全てが順調だったわけではなく、今回の改善活動にどうしても賛同できない社員が何人か退職したり、改善活動にはコストがつきもので一時期厳しい状況に陥ったりと、いろいろとありました。

◆しかし、結果として今は、当時の決断は正しかったと確信しています。

◆また、スタートから1年が経過し非常に好ましい状態を維持しているものの、私(社長)が少しでも気を抜けば、また元の状態に逆戻りしてしまうといった危うさがあり、本当の意味で全社員に浸透するにはまだまだ時間がかかります。


◆そして、今後は、

(1)今回整備したいくつかの仕掛けや諸制度を「採用活動」へ活用していきたいと考えています。採用活動で大企業に対抗できるわが社の強みは、まさにこれらの仕組みを保有していることだと思います。

(2)社内から利益が生まれる仕組みを整備していきたいと考えています。お客様からの売上・利益だけでなく、社内の改善改革活動により様々な付加価値を創り出すことが可能な企業体質を作り上げようと考えています。

(3)お客様満足度を徹底的に高めることは勿論ですが、社内的には、「『一人当たりの売上・利益』と『一人当たりの人件費(給与)』の拡大」です。これらを可能な限り増やすことで会社・社員も成長発展できるものと確信しています。

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【代表者プロフィール】 ◆山藤茂。経営コンサルタント。中小企業診断士。 ◆「人事制度と儲かる仕組み」実践会・「タイムマネジメント」研究会を主宰。 ◆?日立製作所(人事勤労部門)に14年在籍しH3年に独立。 ◆近年は、「人材育成と儲か …

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