どのような人事評価制度を作れば人材育成が実現できるのか?

人事評価制度と人材育成の関係

 

 
人事評価制度の策定で整備されるアウトプット資料には、


   ◎人事評価基準書(人事評価シート)

   ◎能力要件表

があります。

人事評価基準書は、部門別・階層別に作成する必要があります。

能力要件表は、採用する賃金形態や諸々の事情にもよりますが、原則、職能資格等級別
に作成する必要があります。

もちろん、他にもいろんな資料を整備する必要がありますが、人材育成との因果関係に
おいては上記の二つの資料が重要な意味を持ちます。

人事評価基準書は、社員の担当責任業務の遂行プロセスやアウトプットを、設定された
評価項目で評価するもので、当該年度(上・下期)の昇給や賞与の決定根拠となります。

一方、能力要件表は、社員の担当責任業務の遂行の結果として得られた能力の保有度合
を判定するためのもので、主として昇格の審査・決定の根拠となります。


   (※昇格の審査・決定の基準は、能力要件表だけではありません。
     人事評価結果や面接・レポート審査など必要に応じて多面的に見る必要が
     あります。尚、社員数や組織構造などにより、昇格制度そのものを必要と
     しない場合であっても、人材育成の観点から能力要件表(又は能力要件表
     に替わる仕組み)は必要です。)


ですから、人事評価基準書の評価項目と能力要件表の判定項目は、原則的には同じ項目
です。

どちらも人材育成に向けた指針となる項目ですから、項目そのものが食い違うはずがな
いのは当然なのです。

但し、一つだけ決定的な違いがあります。

それは何かというと、前者が「業務遂行のプロセスとアウトプットそのもの(いわゆる
発揮能力)」であるのに対して、後者はあくまでも「業務遂行の結果として保有した能
力そのもの(いわゆる保有能力)」ということです。

いずれにしても、これらをきちんと作成していくと、会社として求めたいレベルが鮮明
に見えてきます。

そうすると、会社として求めたいレベルと実際の社員の評価(判定)結果から、社員の
課題といったものも見えてきます。


   (※ちなみに、能力要件表を補完するものとしてスキルマップ表を作成する
     ことも必要な場合があります。スキルマップ表とは、例えば、等級別
     (又は階層別・部門別)に、必要な技能・知識・資格などを具体的・個
     別に整理したもので、より課題が具体的になるはずです。)


これらの課題をどのように改善していくか・・・。
このテーマに応えるものが、教育訓練制度なのです。


ところで、大企業では、様々な階層や部門別に、様々な研修・セミナー・講習会、更に
は自己啓発サポートなどなどを整備していますが、中小企業の場合は、現実的にはその
ようなわけにはいきません。

その時々で、必要なものをチョイスし、しかも予算を気にしながらスポット的に実施し
ているのが現実ではないでしょうか。

ただ実態として、会社規模の大中小に関係なく、多くの会社ではこれらの教育訓練は人
事評価制度とあまり連動していません。

せっかく、人事評価制度で期待する社員像を明確にしたにも関わらず、教育訓練の仕組
みが機能しないと、人事評価制度そのものの価値もなくなってしまいます。

上述したように、社員の課題を明確にするものが、人事評価基準書であり能力要件表
(更には、スキルマップ表)です。
そして、この課題を改善するために教育訓練の仕組みが必要なのです。

一般的に必要だからといって、いろんな教育訓練カリキュラムを作成し実行したとして
も、本当の狙いや課題があいまいでは社員のモチベーションも上がらないでしょうし、
効果も期待できません。

個々の社員の課題を明確にして、その改善手段としての教育訓練の仕組みがあってこそ、
人材育成が実現できるのです。

もちろん、人事評価基準書や能力要件表から、社員自らが自分の課題を自覚し主体的に
改善していく、あるいは上司のサポートを受けながら前向きに改善していくことは大変
好ましい姿なのですが、どうしても限界があります。

やはり、会社のシステムとして、人事評価制度と連動した人材育成の仕組みが必要なの
です。

ちなみに、ここでいう教育訓練の仕組みとは、何も研修・セミナー・講習会といった集
合教育だけではありません。

現場での上司(あるいは組織ぐるみ)による指導(すなわち、現場OJTのノウハウ・
方法・体制の仕組み)はもちろん、これらの効果性検証の仕組みなども含まれます。

また、中小企業の場合は、最初から全ての課題に対応したトータル的な教育訓練の仕組
みを作り、しかも実践することは並大抵のことではありません。

まずは人事評価制度とリンクした教育訓練のフレームを整理し、その上で、計画的に重
要なテーマから具体的に詳細設計し実行していくことが肝要です。

課題解決や仕組み作りのヒントが凝縮しているものが人事評価制度です。

このような人事評価制度をベースにして、


   ◎個々の社員が自分自身の課題を自覚し改善実行すること

   ◎それをサポートする会社の教育訓練の仕組みを作ること


は、車の両輪のごとく重要なものなのです。

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