P&G「さらさ」のベタな(笑)マーケティングとは?

広告・販促に活用する消費者調査とは?

このコラムでは、日常生活や新聞・雑誌などで目にした「お客さま発想な商品やサービス」の事例を取り上げ、その企業の担当者になったつもりで想像し、その商品のコンセプトを作るまでの「仮説の目の付け所」や「マーケティング調査の活用方法」を皆さまにご紹介しています。

◎得するポイント!⇒ 他業界の事例でも「関係ない」とお考えにならず、「自社に応用で
きるところはないか?」という視点で、何かのヒントにしていただけると幸いです。


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 ●今日のお客さま発想事例 ⇒ 「P&G「さらさ」のベタな(笑)マーケティングとは?」
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マーケティング イノベーションの鈴木規子です。

突然ですが、マーケティングには「入口マーケティング」と
「出口マーケティング」があるのをご存じでしょうか?(^_^)


今日の事例は、少し前のものですが1月29日の日経MJに掲載されていた
「P&Gのさらさ」の記事で、「入口と出口」の両方がわかりやすい事例ですので
ご紹介させていただきます。

御社でも、この考え方を応用していただければ幸いです。

 

記事抜粋:

「P&Gが昨年9月末に発売した衣料用洗剤「さらさ」の売上が好調だ。
漂白剤や着色料を加えず、肌に優しいのが特徴。日用品大手に同様の商品がなく、
安心安全志向を求める消費者の心をつかんだ。

研究開発本部の村上さんは「埋もれていた需要を掘り起こすために、
何度も調査を繰り返した」と振り返る。

村上さんは延べ2000人、600時間にも及ぶ消費者調査を実施。
一人当たり1時間以上かけて、じっくりと消費者と向かい合った。

そこで浮かび上がったのが、「汚れ落ち」と「肌に優しい」という2つの
キーワードだ。
自分に必要の無い成分が入っていない洗剤を使いたい。
でも、洗浄力も維持したい。こうした思いを抱えている人が全体の3割もいると
わかった。


だが開発は難題だらけ。
(中略)そこで、漂白剤や着色料、衣類の白を引き立てる蛍光剤の3種配合を
やめる代わり、クエン酸を加え、従来と同等の洗浄力を維持した。

優しさを前面に押し出すため、商品名はあえて柔らかい印象の日本語を採用。
店頭では顧客の声を販促物に掲載し、「消費者の声から生まれた商品」と
積極的に訴えた。」

---記事抜粋はここまで---

あなたはこの「さらさ」のCMをご覧になったことがありますか?


私はこのCMを初めて見たとき、思わずギョっっっ!!!となって
画面に釘付けにされてしまいました。


マーケターの立場から見ると、
「うわっ!ここまでベタに、消費者調査結果をCMに反映させるとはすごい!」

「なんか耳の後ろがこそばかゆいわ〜。(笑)」

という感じのCMなのです。
(念のため申し上げておきますと、批判ではないですよ(笑)。
むしろ潔さに感嘆してるのです。私もベタが好きな方ですから(^^)。)


そしてCMで、商品を見、ナレーションを聞きながら、
「この商品に、こんなお金をかけたCMが作れる無名の会社ってどこなんだろう?」と
興味を持って見ていると最後にP&Gと出たので、とても驚き、
だから、一瞬のCMでも強烈に記憶していました。


こういった(ほぼ)無添加洗剤は、花王、ライオンといった大手企業からは、
これまで発売されていませんでした。
社名は知っているけれど少しマイナーな企業や、通販だけで販売する企業が製造し、
少し割高な価格だけれど、無添加にこだわる消費者が購入する、といった市場でした。

ですからそういったマイナー企業の中から、CMして販売するようなところが
出てきたのか?!と驚いたのです。

「さらさ」という商品名なので、「サラヤ(ヤシノミ洗剤で有名)かな?」とも
一瞬思いました。

・・・それがP&Gという超大手からだったんですね。
しかも価格も別に高くないんです。


私も使ってみたいとも思った反面、今のところ洗浄力について疑ってるんです。
CMでは、そういった消費者心理を先読みして
「洗浄力は大丈夫だ」と言っていますが・・・(^_^)。

私と同じように、疑り深い人、失敗したくないと思う人は結構いると思うので(笑)、
販促策としてはお試し利用促進をするか、
先に利用した人の「利用者の声(洗浄力に不安があったけど、大丈夫よ。)」を
CM等で流す、という必要があるかもしれません。

さて前置きがとても長くなりましたが、
本日の主題「入口マーケティング」と「出口マーケティング」についてのご説明です。

マーケティングはそれ自体が、市場志向、顧客志向に基づいたしくみづくりのことであり、
市場や顧客(生活者)のことを知らずに、製品やサービスを作れるはずはないので、
最初にすべきことは、市場や顧客(生活者)をよく理解する作業となります。
(通常はマーケティング調査を実施します)。

今回のP&Gの事例でも、大規模な消費者調査を実施していますね。


P&Gでは、この調査結果を「商品開発のコンセプト作り」と
「販売促進戦略」に活用しています。

「商品開発のコンセプト」とは、
「肌に優しい成分だけど、汚れ落ちはしっかり。」というところであり、

「販売促進戦略」とは、
例えば消費者の意見をそのままナレーションにしたCMであったり、
日本語でひらがなの商品名であったり、といったところです。

この事例の場合は、「商品開発のコンセプト作り」が「入口マーケティング」で、
「販売促進戦略」が「出口マーケティング」です。


つまり
「入口マーケティング」で、市場・顧客(生活者)のことをインプットし、

  ↓
商品開発する(サービス業の場合はサービス)・・・ここが企業の業務部分

  ↓
「出口マーケティング」で、顧客(生活者)に買ってもらえるような
アウトプット(戦略)を考え実行する

という流れになります。


「マーケティングってわかりにくい」とよく言われますが、
どの企業でもその業務を真ん中に置くとすると、その前後に
「入口マーケティング」と「出口マーケティング」が必ず必要です。


「商品開発にはマーケティング調査をする」という企業もありますが、
消費者に買ってもらうためには、商品開発(入口マーケティング)だけでなく、
入口と出口の両方のマーケティングが、しっかりと構築されていると、
売上げが上がりますよ〜という事例のご紹介でした(^_^)。

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