新事業発想の視点

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新事業発想の視点

 ヤフーが中国最大のネットショップ「タオバオ」とショッピングサイトを相互接続したことがテレビ等で取り上げられています。一般の消費者にとって、海外ネットショップへネット上でアクセスはできるとしても、実際に購買行動を起こすにはハードルが高いものです。言語の問題に始まって、その店の信用度や、通関、料金の支払問題等、乗り越えてまでは購買行動を起こしたくない問題が山済みです。

ヤフーショッピングのページを開くと、ページ上段に「Yahoo!チャイナモールで買おう」とのバーナーがあり、 このバーナーをクリックし、チャイナモールのページに入り、商品ページに到達しますと機械翻訳によるやや分かりづらい商品説明と写真による商品購買ページへ進むことができます。商品購入は簡単にはなりますが、国際送料(軽量品で2000円程度)や16,666円を超えると上乗せされる関税や消費税が有る点が違います。

 孫会長はこの相互接続により、両国の消費市場や出品者を刺激することが狙いとのこと。

 

*******この提携による変化は*******

この提携によりどのような現象が発生するのでしょうか?

関西国際空港の国際線出国エリアの土産店で中国人観光客を中心に炊飯器が飛ぶように売れているそうです。3〜4万円の高級品を中心に1日平均20個の売上げ、土産品としての購入です。中国では、これら商品に対してそれほど強い需要があるわけです。

これらの高級な日本製品に対する潜在需要が急拡大する可能性があると想定されます。従来ですと販路開拓が困難なため、中小企業が海外に向けた商品開発をすることに困難がありましたが、取り組み次第で、この壁がやや低くなることが期待できます。大手企業の下請けとして高品質、短納期、低価格での部品供給に徹することが難しくなり、しかも国内消費市場は低迷を続ける中、大きく拡大する新市場へ自社の強みを生かした最終商品を開発し、投入する。活路の一つです。その際のキーワードは“日本商品らしさ”です。彼らが求めているものが「日本」だからです。顧客ターゲットが変われば、当然、提供する商品コンセプトも変わります。

 

*******内部では鈍感に*******

京都に株式会社庵という京都市ベンチャー企業目利き委員会Aランク認定企業があります。

「伝統文化研修事業」と「町家ステイ事業」を展開し、「伝統文化研修事業」では日本の伝統文化初体験の外国人・日本人を対象に、茶道、茶花、書道、能楽、狂言、古武道、日本舞踊などの体験学習を実施。一方、「京町家ステイ事業」では、廃墟になりつつある十軒の空き町家を純和風にリフォームし、骨董家具等を備え、町家一棟まるごと借りて、暮らすような滞在を体験できる設備として、内外観光客の京都ステイに一泊から利用できます。

 街中の空き家が活用された例として高く評価されています。

 

何故、このような事業を発想できたのでしょうか?

東洋文化研究者であり、株式会社庵の取締役会長アレックス・カー氏は米国メリーランド州生まれで1964年に初来日し、日本の自然美や伝統家屋の美しさに感動したとのことです。それらの美がその後、急速に失われ、山肌がコンクリートで覆われ、京の町並みもマンションやビルが乱立する状態を体験することにより、失われてゆく日本の美しさを国内外に訴える活動を開始しました。

 日本人の目からは、河川や道路が整備され、大型ビルが立ち並ぶ、まさに発展の姿にしか見えない状況も、視点が変わると、かって有った美しさの崩壊現象となります。

 

確かに、ずっと以前はそうでした。製鉄所の煙突から舞い上がる煤煙は産業発展の象徴だった時代がありました。歴史の短い国の人にとって、歴史を感じるものは、代えがたい価値を持っている。経済に主眼を置く日本人が鈍感になっている視点です。

 

このような強い問題意識が根底にありました。この問題意識を解決し、その活動を継続できる仕組みづくりがこの二つの事業を生み出したと考えられます。この際に、ご自身の強みとして「海外から見る日本の魅力」や「海外の人の生活習慣」を知っていること、海外とのコネクションがあること等が活用されています。

 

*******顧客視点*******

企業活動の中で、単に営業部員だけでなく、顧客に接することも少ない部署の人にも、よく言われることに「顧客視点」を持ってとの言葉があります。海外顧客から見た日本商品・サービスの価値は何なのでしょうか?

金と鉄、実用的価値では鉄のほうが優れているのではないでしょうか? これは実用的価値を強度主体に考えた場合です。錆びないことが主体であれば金に軍配が上がります。なのに価格ではまったく違います。実用的価値で錆びないことが強度より圧倒的に価値があるとは考えられません。単に希少性の差による価格構造と考えられます。

希少なことが価値を持つわけです。中国国内では入手ができない日本のおいしい米、日本食ブームもあり、生産調整で無く海外への販路拡大を志向する価値はあるのではないでしょうか? 中国の人たちは、何故、日本製の高級炊飯器が欲しいのでしょうか? 問題意識の一端です。

 

ビジネスコラム提供者情報

  • コンサルタント:経営
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