数学が得意、というのでなく、いわゆる「数字に強い」ということは、企業経営者の大きな強みの1つです。
今日はちょっとした「数字」のお話をいたします。
最近、家電量販店では還元率の高いポイントカードをCM等で宣伝することが増えたように思います。実際、ポイントカードをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
家電量販店に限らずポイントの利用法でもっとも多いのは、商品等の購入時に貯まったポイント分の値引きを受けられるというものです。ポイントの還元率は発行企業や商品によって異なりますが、おおよそ1〜20%の間ですから、1万円の買い物をすると、次回購入時に100円〜2000円の値引きを受けることができるわけです。
今日のお話は、このポイント還元率は値引率と同じと考えてよいのかどうか、ということです。
たとえば、ポイント還元率10%の店舗で10万円のテレビとカメラを購入したとします。通常の仕訳では以下のようになります。
(1) 10万円のテレビを購入した
■テレビ100,000/現金100,000
(+10,000ポイント)
(2) (1)で還元されたポイントを使って、10万円のカメラを9万円で購入した。
■カメラ 100,000/現金 90,000
値引き -10,000/
(+9,000ポイント)
このケースでは、20万円分の商品を19万円の現金で購入したことになり、その値引率はわずか5
%です。
しかし、この計算方法だと残ったポイント9000ポイントが反映されません。そこで、実際にそのような会計処理は行いませんが、ポイントを「値引権」という無形固定資産として計算してみます。
(1) 10万円のテレビを購入した
■テレビ 90,000/現金100,000
値引権 10,000/
※会計では貸借を合わせる必要がありますので、テレビの価額は10万円−値引権1万円で9万円とします。
(2) (1)の値引権を使って、10万円のカメラを9万円で購入した
■カメラ 91,000/現 金 90,000
/値引権 10,000
値引権 9,000/
この計算方法の場合、最終的に20万円分の商品と9000円分の値引権を現金19万円で取得したことになり、その値引率は9.09%です。還元率対値引率の比率は90.9%になります。
ちょっとした頭の体操になりましたか(^_^)。
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- いずみ会計事務所
- 東京都千代田区二番町1-2 番町ハイム737号室
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