円建外債とは

一般にサムライ債と呼ばれる債券であり、非居住者により日本国内市場で募集(公募)・発行され、発行時に日本円で払い込まれるものをいう。
リバース・デュアル債(利払いが外貨、償還が円)や順デュアル債(利払いが円、償還が外貨)の形式をとったサムライ債も発行されており、利金や償還金については必ずしも両方とも円である必要はない。

1995年の総発行額は1兆6565億円、総発行本数は73本にのぼる。1996年1月1日より適債基準が撤廃され、原則として発行体のクレジットに関らず発行出来ることとなった。今後は投資適格以下の格付の銘柄の発行も予想されている。

歴史的には、国際収支の黒字幅拡大や外貨準備の急増を背景に、1970年にアジア開発銀行が野村證券主幹事で発行した60億円のものが第一号であり、これが東京資本市場の国際化の端緒になったと言える。当初は国際機関又は国、州、公的機関のストレートボンドのみだったが、次第に発行体、商品共に多様化されていった。

最初の民間企業銘柄は1979年のシアーズ債(主幹事は野村證券)である。1989年には最初のリバース・デュアル債がデンマーク王国により発行され、1991年には変動利付債(米州開銀)とCB(グラクソ)も登場した(全て主幹事は野村證券)。

日本の債券市場に共通する流通市場の問題(社債登録制度・流動性の低さ等)はあるものの、金利動向に合わせて、発行体・投資家双方のニーズに合った商品を提供しうる市場として成長していると言うことができよう。サムライ債は国内債であるために、日本法を準拠法とする。また、証券取引法に則った開示書類を作成し、原則として債券の管理会社を設置する。

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