GDP成長率の読み方とは
景気分析をする際は、GDP成長率を確認して、その変化の方向を知ることが非常に大切である。
通常、GDP成長率の予測は、年度や歴年の成長率見通しとしてとらえられることが多いが、よりきめの細かい見方をするために、四半期ごとの成長率(前期比成長率、前年同期比成長率)をみる必要があるとされる。
前年同期比成長率では、景気の短期的な変化はとらえられない。また、年度や歴年の成長率では景気の基調変化はとらえられるとしても、景気全体の短期的な変化の方向を追うことはできない。
そこで、景気の変化の方向を的確につかむには、前期比成長率をみることがもっとも優れている。
しかしながら、問題点も存在する。現実の景気循環は、4〜5年をひとつのサイクルとした波動を形成するのが通常であり、四半期ごとに大きく変動することは少ないが、統計に表れるGDP成長率は、四半期ごとにかなり激しい変動をすることがよくみられる。これは、経済統計の限界とでも呼ぶべきもので、現実の経済がさほど変動をしていない場合でも、統計上の変動が大きくなるのである。
したがって、統計を通して、統計のベースとなる現実の経済の「トレンドとしての変化」を読み取ることを心がけるべきである。表面上の数字だけを追うことは必ずしも優れた方法ではない。前期比成長率と前年同期比成長率を併せて確認することが大切である。
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