パブリック・リレーションズとは

パブリック・リレーションズ(Public Relations、略称:PR)とは、個人や組織体が最短距離で目標や目的を達成する、『倫理観』に支えられた『双方向性コミュニケーション』と『自己修正』をベースとしたリレーションズ活動である。

パブリック・リレーションズにおける日本の第一人者である井之上喬は、専門家として35年にわたる経験から得たパブリック・リレーションズの端的な定義を、その生命は高い「倫理観」に支えられた「双方向性コミュニケーション」と「自己修正」にあるとして、前述のように紹介している。

また井之上は著書『パブリック・リレーションズ』(日本評論社、2006年)の中で、「パブリック・リレーションズのパブリックは一般社会を指すが、組織体の設定する目的によってターゲットが変わる。たとえば、株式上場の場合はインベスター・リレーションズ(IR)、コミュニティとの関わりはコミュニティ・リレーションズ、政府への規制緩和等の働きかけはガバメント・リレーションズと目的に応じてターゲットも変わり、その関係醸成の戦略や内容も変化する。このように、多様なパブリックから選択した個別のパブリックをターゲットとし、それらとの関係(リレーションズ)の総体をパブリック・リレーションズという。」としている。

また井之上は日本におけるパブリック・リレーションズの認識について、「戦後連合国軍最高司令官総司令部|GHQによってもたらされたパブリック・リレーションズは、その後紆余曲折をへて今日に至っているが、近年、高度経済成長の中で矮小化して解釈され、PR=宣伝広報としばしば誤解されている。」と述べ、本来のパブリック・リレーションズの持つ語感に近い言葉として「戦略広報」を挙げている。そして「パブリック・リレーションズを最も的確に表現した日本語訳はない。パブリック・リレーションズを公共、公衆関係と直訳するのはパブリック・リレーションズの本質を捉えていない。半ば同義語として『広報』という言葉があるが、パブリック・リレーションズの本義からすると、生命ともいえる重要な部分が欠落している。従来型の広報は文字どおり解釈すれば『広く報ずる』ことであり、広聴とセットになって双方向性をもつもので、そこには情報発信する側の顔しか見えず、一方向性のコミュニケーションになっている。あえて言えば戦略広報が近い語感を持っている。戦略広報とは、目的達成のために経営の中枢からさまざまなパブリックに向けて自らの行動によりリレーションズ活動を行うことである。」と説明している。

さらに井之上はパブリック・リレーションズを経営システムの視点から捉え、「人」、モノ、金、情報を統合する「第5の経営資源」と位置づけ、これまでの4つの経営資源を個々に強化し、それらを有機的に統合して最短距離で目標(目的)を達成させる、重要な経営資源の一つであると規定している。

他の定義に関しては、国際パブリック・リレーションズ協会(IPRA)が1978年に採択した規定の中で、パブリック・リレーションズについて双方向性コミュニケーションによる相互理解の必要性を強調し、企業側の調整概念に資するためマネジメントへのカウンセリングと、政策調整アクションの役割を求めている。

また、1982年の米国パブリック・リレーションズ協会(PRSA)の公式声明では、「パブリック・リレーションズは、各種団体、機関の相互理解に資することによって多元的社会が意思決定を行い、より効果的に機能することに貢献するものである。これはまた、官民間の政策調整にも貢献する。また、パブリック・リレーションズはわれわれ社会のさまざまな団体、組織に奉仕するものである。これらの団体、組織がそれぞれの目標を達成するためには、従業員、会員、顧客、地方企業、株主などそれぞれ違った分野のパブリック、すなわち社会全体と効果的な関係を育てていかなければならない」としている。

前述の井之上喬は、上に紹介した端的な定義のほかに、より肉付けした21世紀型のパブリック・リレーションズを次のように定義している。

「パブリック・リレーションズとは、自由競争が可能な民主国家や地域で、ツーウェイ・コミュニケーションに基づいて、倫理観と哲学を持ち自己修正能力のある情報発信者が、公共の利益に沿って社会的に有意義で調和ある行動でグッドウイル(信頼・好意)を醸成しマネジメント・ファンクションとして統合的に調整する継続性のあるリレーションズ活動である」

つまりパブリック・リレーションズとは、情報を分析・吸収し利用できる自己修正能力のある情報発信者が的確にターゲットを設定し、情報発信をしてパブリックに働きかけ、その変化・影響を分析・吸収し、また刻々と変容するパブリックの姿をフィードバックし新たな情報発信のために役立て、時期を逸せずに新情報を発信し、「信頼と良好な関係構築のためのマネジメントの意思決定プロセスにかかわる継続的な活動」であるということである。また、厳しい国際競争下でスピードある対応が求められる企業にとってのパブリック・リレーションズは、これに「戦略性」を加えることにより、市場や業界における優位性の確保に資することが可能になるということである。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 GNU Free Documentation License.

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