予算委員会とは

予算委員会(よさんいいんかい)は、日本の国会(衆議院・参議院)に設置される常任委員会の一つ。

== 概要 ==
内閣が提出する予算案の審議を行うのが基本的な役割であるが、予算というものは一年間の国政の在り方を決めるものであるため、予算委員会では国政のあらゆる重要事項についての審議が行われる。そのため、他の委員会に比べテレビ中継が行われる機会が多く、委員会の中で最も注目度が高い。

==予算委員会の特色==
予算委員会は、本会議、国家基本政策委員会(党首討論)と並んで国会審議の花形として広く認識されており、予算案・重要な法律案などを審議するために全ての閣僚が出席する場合は、その同時間帯には他の全ての委員会は開会されない。

==予算審議の流れ==
まず、予算は通常国会の召集日に内閣から衆議院に提出され、予算委員会に付託される。本会議において、総理の施政方針演説の際、財務大臣は財政演説を行い、その演説の中で予算の説明を行う。委員会では、財務大臣が趣旨説明を行い、財務副大臣が補足説明を行う。

そして、おおむね2日にわたり全閣僚出席し、日本放送協会|NHKの中継の下で基本的質疑が行われる。この際、与野党の大物議員が質問に立ち、国会における一つの花形となっている。その後、委員による一般質疑が2週間程度行われ、時の政治課題に対する集中審議として総理出席のもと質疑が行われ、この時はNHKの中継が入る。

時には、スキャンダル等が明らかになったことにより、参考人招致や証人喚問が行われることもある。

国会法の規定により、予算の議決には公聴会を開催することが義務づけられているが、公聴会を行うと採決が行えるため、日程の決定に当たって与野党の攻防が展開される。公聴会自体は、1日半に渡り、各党が推薦する経済学者、労働組合の代表、その他時の政治課題を反映した公述人が公述を行い、委員の質疑を受ける形で行われる。

予算審議も終盤になると、各省庁ごとに予算審議を行うため分科会での審議が行われる。通例、8つの分科会が設けられ、約1日半にわたって行われる。

そして、最後に全閣僚出席のもとで締めくくり質疑が行われた上で、各党各会派の代表者が予算の賛否について意見を述べる討論を経て採決に付され、予算委員会での審議は終わる。

本会議においても、討論を行った後、記名投票で採決が行われ、予算が衆議院を通過する。3月2日まで衆議院を通過すると、憲法の規定により、参議院で議決が行われなくても年度内に自然成立することになり、与野党の攻防が行われる。

参議院においても、衆議院とほぼ同じような手続で審議が行われるが、趣旨説明は、衆議院通過前に予備審査として行われるのが通例であり、参議院では分科会を設けず、各委員会に委嘱するという形で、各省庁別の予算の審議を行う。なお、参議院で衆議院と異なった議決をした場合、衆議院は両院協議会を求めなければならないが、協議が成立しないときは、衆議院の議決が国会の議決とされることとなっている。そのため、参議院で予算が否決されたことは数例存在するが、いずれの場合も協議が成立せず、予算は原案通り可決となっているのが通例である。なお、予算が4月4日まで成立しないと、各省庁の歳出に影響が生じることとなっているため、参議院での審議が終わらない場合暫定予算が組まれることもある。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 GNU Free Documentation License.

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