瑕疵担保条項(かしたんぽじょうこう)とは、旧日本長期信用銀行、旧日本債券信用銀行の特別公的管理(一時国有化)終結にあたり、預金保険機構と両行の買主(旧長銀は米リップルウッド・ホールディングス|リップルウッドなどから成るニューLTCBパートナーズ、旧日債銀はソフトバンクなどのグループ)との間で交わした契約事項(特約)である。
特約の内容は「譲渡から3年以内に、当初の正常債権の判定に瑕疵が生じ、簿価より2割以上目減りした債権は預金保険機構に買い取らせることができる」。
瑕疵担保特約は、融資先を再建するよりも、破綻させて預金保険機構に買い取らせた方が、自社の不良債権処理に有利になる場合がある。
旧長銀、旧日債銀をそれぞれ引き継いだ新生銀行、あおぞら銀行はこの特約を活用し、貸出債権の回収・債権放棄の拒否・債権者として会社更生法、民事再生法の適用申請などで、不良債権の相手方である多くの会社の破綻処理を行ったが、一方で「貸し剥がし」として多くの社会的非難を浴びる事になった。とりわけ、瑕疵担保特約を積極的に行使した新生銀行に対しては、そごうなどの大企業を抱えていた事、再建が外資主導である事、リップルウッドグループへの売却額が、一時国有化に要した公的資金額に比べて極端に低い事(投入公的資金4兆円に対し売却額10億円とされる。なおリップルウッドはその後1200億円を投入)、企業向け投資ファンドに対する不十分な理解(いわゆる「ハゲタカファンド」論)などが重なり、非難は大きかった。
瑕疵担保特約が終了するまでの3年間で、預金保険機構に買い取らせた不良資産は、新生銀行で321社・1兆1702億円(2003年2月まで)、あおぞら銀行で100社強・4000億円(2003年9月まで)にのぼる。
なお、瑕疵担保とはb:民法第570条|民法570条に定められている規定で、買った物に、買主が予想出来得ない隠れた欠陥があった場合、買主は売主に契約解除や損害賠償を請求することを認めている。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 GNU Free Documentation License.
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