トレードオフとは

トレードオフ(trade-off)とは、一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという二律背反の状態・関係のことである。トレードオフのある状況では具体的な選択肢の長所と短所をすべて考慮したうえで決定を行うことが求められる。

==水道管の値段と水の流量==
分かりやすい例として水道管の値段と水の流量を考える。太い水道管を用いるとたくさんの水が流せるが、水道管の重量が増えるため水道管に必要な費用が大きくなる。逆に水道管を細くすると重量の軽い水道管になるので水道管に必要な費用は少なくて済むが、少ない量の水しか流せなくなる。このように、水量の多さを重視すると費用が犠牲になり、費用の安さを重視すると流せる水の量が犠牲になるという関係にあり、流せる水量の多さと費用の安さはトレードオフの関係にある。

この場合、どの程度の水量が必要か(これを需要と呼ぶ)を適切に見極めて、水道管の太さと費用を意思決定|決定する。需要の予測を誤ると、水量が多すぎた場合は費用のかかりすぎた過剰な設備となり、結果的にはお金の無駄遣いとなる。逆に水量不足の場合はさらに別の水道管を敷く必要が生じて二度手間となる。水道管の敷設には水道管の費用とは別に工事の費用がかかるので、結局、割高になる。

== 日常生活での例 ==
人間が経験するもっとも基本的なトレードオフは「時間をどう使うか」というものである。与えられた時間で例えば芝刈りをすることもできるが、より儲かること、またはより楽しいことのみに集中することもできる。「時は金なり」である。楽しいことのみに時間を使った場合はお金がなくなってしまう。

経済活動における古典的なトレードオフは時間、資金、品質のトリオである。一般的にはある状況で固定できるのは3つのうち2つのみであるとされている。限られた資金で品質を上げるには、大量の時間が必要となる。資金が自由であれば1969年以前に人類は月に到達し、帰還できたであろう。また失業とインフレーション|インフレとの間にも、フィリップス曲線を描く関係がある。

これら以外にもトレードオフは日常の至る所に存在している。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 GNU Free Documentation License.

経営に関する人気コラム一覧

ビジネス用語・経営用語辞典カテゴリ

経営者支援コンテンツ

比較ビズで一括見積もりしませんか?

会員メニュー

おすすめコンテンツ

経営マガジンへの掲載

▲ページTOP