魅力的な事業展開

(ディズニーに見る事業展開の戦略性)

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魅力的な事業展開
(「価格の不思議」関連テーマ) 

 

 

価格競争ではない、競争要因を武器に拡大を続ける業界を覗いてみます。

 

 

 

*******腕時計市場が語るもの*******

 

2005年日本企業の生産量は、7.24億個、1,701億円、数量では世界生産量の58%となっています。

 

 

この内、国内向け出荷量は840万個、金額で427億円、輸入額合計1,914億円(内スイス1,542億円)と、国産品の国内シェアーは実に18%程度の状況です。国内市場は金額面ではスイスからの輸入品が圧倒しています。

 

 

日本企業が開発したクオーツ式腕時計、時間の狂いも故障も少なく、ねじ巻きの必要も無い、しかも低価格、実に製造の鑑といえる製品で、販売個数の面から見ますと、多くの人の支持を受け、世界に冠たる存在です。

 

 

しかし、販売額の面から見ますと、スイス製の機械式腕時計に、完全にその優位性を押さえられています。日本国内にスイス時計協会支部を設立し、その販売促進活動を業界として後押ししている状況も、そのホームページから窺えます。

 

 

日本企業の輸出は95,100万USドル、一方、スイス企業の輸出は100億USドルを超えています。

しかもそのうち、金額にして62%は機械式腕時計です。ただし、数量的には14%です。

 

 

顧客の多くはクオーツ式の優れた使用価値を有する低価格品を支持していますが、購入金額の多くの部分は、機械式の、時計本来の機能から考えると、優位性の少ない高額品によりもたらされているのが現状です。

 

 

その品物や、サービスが保持する本来目的とはことなる価値に、少数派ではありますが、金額的には多数派となる支払がされています。

この特性の応用により、多くのニッチなリッチ市場が開拓出来る可能性があります。

 

 

 

 

 

*****世界に拡大する「ディズニーランド」*******

 

 テーマパーク、日本の主たるテーマパークは業績不振で、順次閉鎖に追い込まれている中、ディズニーは香港、パリと世界を代表する地に順次その姿を現しています。

 

 

現在は米本国の2ヶ所と東京を加え、計5ヶ所のテーマパークが営業し、しかも好業績を続けています。

 

 

国内各パークの「1日パスポート」価格

          大人 中人  小人

東京ディズニー   5,800  5,000  3,900

長崎ハウステンボス    4,800  3,600   2,600

三重パルケエスパーニャ     4,800  3,800   3,200

 

 

 その地を訪れ、楽しむにはこれに交通費と場合によっては宿泊費も必要となり、それらの付随費用が、この本来目的価格を超える可能は十分にあります。訪問者は当然「合計費用」と、その「楽しむ価値」とを天秤にかけ、決定します。

 

 

 

*******ディズニーランドの強み*******

 

テーマパークとしてのディズニーランドの強みは、ミッキーマウスに代表されるアニメキャラクターとアニメ映画とにあります。

 

 

ディズニーの好調を、その顧客満足度の高いサービスに置く説も多く聞かれますが、他のテーマパークが、絶対に勝てない根本は、幼少期から頭脳に叩き込まれた「ディズニーキャラクターの活躍」であり、「ディズニー = 楽しい」との催眠効果によるものではないでしょうか。 後は、これを補完する神話作りが主な営業活動となるわけです。

 

 

やや古くはなりますが、フロリダのディズニーワールドで1日を過ごした際の印象では、その広大さには驚くものがありましたが、催眠術に掛かっていない年齢層の筆者には、国内の他の遊園地と比較し、特別の楽しさを誘うほどのものではありませんでした。

 

 

 

*******ウォルト・ディズニー氏の戦略*******

 

 ウォルト・ディズニー氏が1922年にアニメ製作会社を設立し、何度かの失敗はありましたが、192811月アニメ映画「蒸気船ウィリー」にミッキーマウスを初登場させ、翌年にはミッキーマウス玩具の特許取得、1937年に初の長編カラーアニメ「白雪姫」の製作開始と、この頃になって、漸く事業が軌道に乗り始めています。

 

 

また、初期のミッキーマウスの声優はウォルト氏自身が勤めていたとのことであり、単に作者としてのみでなく、多方面に活躍していました。

 

 

 ウォルト氏は1940年頃に、ディズニーランド構想を考え始め、ディズニーランド建設のためのディズニーランド社を設立したのが、1952年。この間夢多き日々であったかと推察されます。

 

 

 建設資金集めのため、1953年、当時漸く、広がり始めたテレビに着目し、テレビ局から50万ドルの出資と、膨大な額の債務保証を取り付け(総投資額1,700万ドル)、しかもディズニーランド番組の毎週のテレビでの放映権を手に入れています。 これらを可能にしたのは、それまでの常連といえるアカデミー賞受賞等の実績です。

 

 

 建設途上を、アニメ映画と共に流し続けたわけです。ものすごい宣伝効果であったと推定されます。現に、広々としたオレンジ畑とクルミ畑であった地が、開業時には車の渋滞で、身動きの取れない状態であったとのこと。

 

 

 誕生の地カリフォルニアの住所は「1313 Harbor Boulevard Anaheim, CA」この番地の「1313」は、ミッキーマウスの頭文字「M・M」のアルファーベット順位から決められたとのこと。当然当時は、原野で番地などは無く、自由に付けることが可能でした。

 

 

自社の強みを最大限に活用し、新しい時代の変化をいち早く取り入れた事業展開手法、ウォルト・ディズニー氏は事業家として、類まれな才能をお持ちであったことが伺われる経歴です。

 

 

また、後継者により設立(1986年)され世界のサービス業の教育殿堂となりつつある企業内大学「ディズニー・インスティチュート」等の設立に、その精神は受け継がれているようです。

事業戦略、企業運営の根源を垣間見た感がします。

 

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関連テーマ「価格の不思議」はこちらから
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