製品別採算性の大切さを考える(1)

従来の考え方では、利益が減ってしまう

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このところ、いくつかの知り合いの加工先や中小の加工先の指導をさせていただきました。

ほとんどの会社が、多品種少量の受注生産をしています。

これらの会社の経営者の方に、現在の材料価格の高騰をどのように考え、対処しているのかを聞く機会がありました。

材料を大量に買っている加工屋さんに対しては、材料屋さんもなかなか値上げがしにくいものですが、今回は違うようです。

とくに、小ロットで材料を購入している加工屋さんの場合には、取引をしている材料屋さんから早くに値上げが通知されていました。

とくに、ニッケルを含んだステンレス鋼の高騰が、目立っています。

具体的には、昨年暮れから値上げが続いており、今年に入って4月にも値上げがあり、それが10%を越えるのです。

これに便乗しているのか、他の材料も値上げが出ています。

これは、中小の加工屋さんだけでなく、大手メーカの材料や部品を調達している資材や購買の担当者にとっても、大変な話です。

この状況で、多くの加工屋さんは、取引先に対して、材料費分の値上げをお願いしています。

この値上げは、材料費分の値上げですから加工屋さんの儲けには、まったく影響しません。

しかし、大手メーカには、材料費の値上げをすべて認めるのではなく、企業努力によって吸収しなさいといって、一部しか認めないといったところもあります。

これは、賛否両論があると思いますが、今回の話の対象ではありません。

今回は、材料費の値上げに対する加工屋さんの対応です。

値上げに対して、多くの加工屋さんは、材料屋さんからの要求を認めざる得ないのが現状です。

そして、複数の材料屋さんからの相見積りをしたり、価格交渉をして値上げ幅を抑えるなどの努力を払っています。

その上で、客先に納入する部品ごとに採算性を考えて、客先との交渉を進めているはずです。

しかし、このような状況の中で、特定の客先と専属的な契約を結んでいたり、特定の客先への売上高の依存度が高い加工屋さんなどで見受けられることがあります。

それは、材料費の値上げを簡単に認めてしまい、客先には、材料費の値上げを一部でも認めてもらえればよいと考えていることです。

これは、加工屋の社長さんの頭の中にある、「これだけの売上げがあれば、うちの会社は赤字にならない。」という経験則なのです。

このため、材料費が値上げになっても、あまり注意を払って見ていないのです。

この結果は、売上高は確保しているのに利益が減っている、出ないということになってしまうのです。

そして、会社が儲からない、客先への値上げも出来ないというジレンマに落ちってしまい、経費の削減を進めるのですが、最後には、会社を閉めざるえないことになりかねないのです。

このようなことにならないためには、部品の受託加工をしている加工屋さんでは、製品ごとの採算性を十分に把握していくことが必要になるのではないでしょうか。

その上で、採算の合わない受注品をどうするのかの対策を考えるべきです。会社は、利益の獲得が第一の目的です。

この利益に関係することについて、もっと敏感であるべきではないでしょうか。

ビジネスコラム提供者情報

  • コンサルタント:経営
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