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エニアグラム活用事例

空港ロビーで大ポカ。その場で交代を命じられた営業マンの末路 タイプ3対策

福岡の、オフィス機器の総合サービス会社に勤務するB主任は29歳の男性である。

B主任は、地元の800人規模の企業を担当していた。本社ビルに6つある取締役室の全てと数フロアーにサービスを行って3年になる。

ある時B主任は相手先のK取締役の秘書から、海外出張に持っていく予定になっていたモバイルPCの代用品を依頼された。

かねてから愛用のK取締役の使用していたモバイルPCが急に動かなくなり、その代用品として同機種を納品するよう指示されたからである。
B主任は、K取締役の秘書からその件を依頼された時、本社のストックを確認せず、その場で「大丈夫です」と言った。

しかし、本社に戻って確認すると同機種はあいにく在庫がきれていた。本来は、すぐその旨を相手先の秘書に伝えるべきであったが、B主任は連絡しなかった。

その後、何度かやり取りがあり、モバイルPCは空港ロビーでK取締役に、直接渡すことになった。

K取締役の秘書は、嫌な予感がした。

B主任は過去、安請け合いをし、商品が期日に納品できない、また勝手に機種変更をしても報告が無かったことが2回あった。

当日、B主任が空港ロビーに持って来たものは、案の定、注文とは違うメーカーの機種だった。

K取締役は使い勝手が分からず、結局出張に持っていくことは出来なかった。

K取締役は激怒した。そしてB主任は、その場で担当の交代を命じられた。

このように、業務の結果だけを合わせて、その場を取り繕うような仕事をしてしまうのは、エニアグラムではタイプ3と分類される人間の不健全な状態である。


この件は、B主任の上司であるA課長が口頭で注意し、B主任は始末書を書いた。

A課長は、B主任をしばらく見守ることにした。

その後のB主任は相手先企業の他の部署に熱心に通い、その後半年ほどは大きな問題を起こさなかった。

A課長は、B主任が心を入れ替えて、お客様の満足を一番に考えて行動するように
なったものと思い、安堵していた。

しかし、ある日突然、相手先の総務部から電話がかかってきた。やはりB主任の問題であった。

今度は、B主任が、相手先の社内の女性から聞いた、人事に関するうわさ話を、他の部署で言ってまわっていると言う。

A課長は、B主任とともに先方に謝りに行くとともに、B主任への指導不足を感じざるを得なかった。

そこで、A課長はエニアグラムコーチング=ECを使って、B主任の行動の動機をじっくり見ていった。するとそこには、ある驚愕の事実が隠されていた。

B主任の不可解な行動の謎の原因は、実はA課長本人にあったからだ。


タイプ3は、上席者やお客様の鼻が向いている方向を敏感にキャッチし、合わせてくる特徴をもっている。

今回も、相手に良い評価を得たいばかりに、言ってはいけないことをうかつに話してしまった。特に人事の問題は誰でも気になるところなので、人は強く反応しやすい。

B主任は、自分の持っている情報を与えると、他者から良く評価されると勘違いして相手先の現場で聞いた内部情報を、つい他部署で話してしまった。

これは、ビジネスパーソンとして、してはいけないルールとして、厳重に注意をし、守れなければ処分も覚悟しなければならないケースである。

しかし実は、A課長にも悪い癖があった。

部下との打ち合わせが雑なのである。A課長の気質はタイプ4であり、その気質が大いに関係している。

タイプ4は、全てが自分の中で完結してしまう。他者と情報を共有しない。
また、必要を考えず、自分のやりたいことを優先してしまう。
時には相手に丸投げし、出来が悪いと感情的に怒る。


B主任はタイプ3であるので、目標が明確であればモチベーションは自動的に上がる特徴を持っている。

問題はプロセスである。タイプ3は、自分の考える最も効率的なやり方を優先してしまう。全体でのやり方や他者からの指示はわずらわしいと感じる。

であるから、上司からの指示はあまり詳しくない方が良い。要は、目標だけ示してもらえばそれで良く、後は自分勝手にさせてもらいたいのだ。

このような二人であるから、噛み合っているように見えても、噛み合っていない。

今回のモバイルPCの件も、A課長は報告は受けていた。しかし、詳しい確認を怠り、B主任が「大丈夫です」と言ったことに、A課長が念を押さず、まかせてしまったことに原因があった。

タイプ3は慎重なように見えて、意外とリスク管理が甘い。問題をカバーするのが上手なので、失敗が表面に見えにくいだけだ。

この問題の解決方法はさほど困難ではない。

A課長がB主任のやり方について、聞けばよい。もしトラブルが生じそうであれば、トラブル回避のためにどうするか、簡単なチェックをすれば良い。

タイプ3は上席者から声をかけられることは嬉しいので、簡単なチェックでも喜んで応じる。ただしタイプ3にとっては、効率が悪いと感じる指示には従いたくない。

であるから、タイプ3に何か教えるのではなく、業務のプロセスを聞いて、間違いが生じないように会話をするのである。

タイプ3は、上席者やお客様の鼻が向いている方向を敏感にキャッチして合わせてくる特徴をもっているので、大概、結論は一致する。

現に、B主任が多くの会話できる担当者からは、非常に評判が良い。お客様の意向に沿う努力を惜しまない。しかし会話の少ない部署、担当者とは、B主任のミス、トラブルが多い。

今回、空港ロビーで担当交代を命じられた件も、日頃、担当秘書とのコミュニケーションが少なく、丸投げされたように感じたと、B主任は述懐した。

コミュニケーションが少ない場合は、適正な業務を行わなくても良いと言うことではない。もし自分がタイプ3であれば、コミュニケーション量が少ないと、意欲が散漫になってしまう癖に注意することだ。

まとめである。

相手先の内部情報を、相手先の他部署で話すことは絶対してはならない。

タイプ4は、部下の話しをもっと聞く努力をしなければ、勝手に業務が進んでしまい結果責任は、自分に返ってくる。

特にタイプ3は結果オーライで、目標達成までのプロセスに問題が生じる。それを回避するためにはコミュニケーションの量を増やすことだ。

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コンテンツ協力:株式会社エニアグラムコーチング

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