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エニアグラム活用事例

仕事を抱え込んで、部下にストレスをぶつける困った社員 タイプ7対策

M係長は、東京にある、国際会議のプロデュースを行う会社の社員。

国際会議のプロデュースとは、国際的な団体や海外企業との大規模な会議が開かれる際に活躍する、いわゆる裏方である。

会議のセッティングはもとより、会場・ホテル・食事の手配、参加者のスケジュール調整、ドキュメントの準備、作成など、会議を成功させるためのあらゆる場面で重要な役割を担う。

M係長は、激務に追われていた。4ヵ月後に控えたフランスで行われる大きな会議のリーダーを任せられていたからである。

毎晩の残業、泊り込みの仕事も週1日は必ずあり、食事も満足に取ることが出来ず、昼はいつもカロリーメイトばかり。

M係長は外国語をいくつか操り、交渉ごとにも大変優秀ではありましたが、仕事の進め方に奇妙な癖を持っていた。

新人にも頼めるコピー取りの仕事まで、人に任せず、何もかも自分でやるのである。さらに、今自分が何をやっているのか、絶対他人に教えない。見せないというやり方である。

さらに別の小さな仕事も、大きな仕事も、1年後の仕事までも全部、抱え込んでいた。これによって、4ヵ月後に控えた大きな会議の業務は停滞していた。

M係長の上司であるK課長は毎日、気が気ではなかった。何度も進捗の報告をするようM係長に指示を出したが、一向に報告する気配がなく、イライラは募るばかりだった。

M係長の方は、と言えば、昼は比較的、機嫌よく、どちらかというとヘラヘラしているのだが、夜になると溜まったストレスを部下にぶつけ、怒鳴り散らす行動も見られるようになった。

実はエニアグラムではこの気質は、タイプ7と呼ばれている。


一連のM係長の行動は、タイプ7が恐怖に囚われたときに起こす典型的な症状である。

仕事を抱え込み、他人に見せないことで自分を防御しているのだ。

K課長は、一見ワーカーホリックのように見えながら、実は業務が停滞しているM係長の行動を見るに見かね、事態収拾のため、あるコンサルタント会社に依頼した。

そのコンサルティング会社は、早速M係長との面談日を設定し、セッションを3回行った。

そのセッションの後、M係長の行動には、傍目にも分かるほど明らかな変化があった。

またM係長の中にも、大きな意識の変化が感じられたのである。


M係長の行動の原因は、自分が拒絶されるのではないか、という恐怖である。

もともと、タイプ7の潜在意識には「自分は欠けているのではないか」「不足な人間ではないか」と考える特徴を持っている。

今回のように、自分の能力を最大限に発揮せねばならない時、その緊張感に耐えられなくなり、ヘラヘラする、他人に自分を開示しなくなる、という現象が現れるのである。

自分への信頼が失われ、自信がなくなり、業務の進捗を上司に報告すると叱責ばかりではなく、自分が拒絶され、仲間外れにされてしまうのではないかと強い恐怖にとらわれてしまうのだ。

このM係長に対し、コンサルタントは3つのことをリクエストした。

そのひとつは、「自分にしか出来ない仕事と、他人に任せても良い仕事に分ける」、という作業。そしてそれを一覧にし、他人に任せてもよい仕事はすべて部下に振り分けた。

すると、M係長がやらねばならない仕事が半分になった。

次に、「それぞれの実行のためにそれぞれどのくらいの時間が残されているか」を確認してもらい「仕事の優先順位」を決めてもらった。

それによって、この1週間でやらねばならない仕事が明確になった。その量は、初めの10分の1に減ったのである。

次にその1週間をマップ化して、全体像を把握し、終わったとところは×をつけて、終了のしるしをつけることを毎日行った。すると、仕事は見る見るうちに、処理され、帰宅時に、全体像のマップを見るのが楽しくなった。

仕事の進捗を「見える化」したからである。

M係長にも変化が現れた。ヘラヘラしなくなり、上司に報告をするようになったのである。
また残業は減り、昼食もきちんと摂るようになった。

最も大きな気づきは「仕事を人に任せても拒絶されない」、ことを知ったことだった。

4ヵ月後、フランスで行われた大きな会議は大成功を収めた。

まとめである。

タイプ7が業務で障害を起こす原因のひとつは、時間的拡散である。
あれもこれも、すべてを一時にやってしまおうとして、頭の中で交通渋滞を起こすのだ。

交通整理の方法は、

「自分にしか出来ない仕事と、他人に任せても良い仕事に分ける」

次に、「それぞれの実行のためにそれぞれどのくらいの時間が残されているか」を確認し「仕事の優先順位」を決める。

次に「マップ化」して、全体像を把握し、終わったとところは×をつけて、終了のしるしをつける。仕事の進捗を「見える化する」である。

※上記のコンサルティング方法は株式会社エニアグラムコーチングの、エニアグラムコーチングというプログラムです。

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コンテンツ協力:株式会社エニアグラムコーチング

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