ロングテールとは

The Long Tail(ロングテール)とは、「あまり売れない商品が、インターネット|ネット店舗での欠かせない収益源になる」とする考え方。

== 名前の由来 ==べき乗則に従う商品売り上げの統計図表|グラフを、縦軸を販売数量(population)、横軸を商品名(product)として販売数量順に並べると、あまり売れない商品が恐竜の尻尾(tail)のように長く伸びる。つまり、販売数量が低い商品のアイテム数が多いということを表す。

このグラフの形状から因んで「ロングテール」という。

== ロングテールの起源 ==
ロングテールは最初、オンラインDVDレンタル店の米ネットフリックスやAmazon.comなどの特定のビジネスモデルを説明するために米『Wired』誌の記事で同紙編集長であるクリス・アンダーソン (Chris Anderson) によって提唱された。

日本では「ロングテール効果」「ロングテール現象」「ロングテール論」として紹介されることもある。

== ロングテールの一般的な意味 ==
ロングテールはオンライン小売店の一つであるAmazon.comを例に用いるとわかりやすい。一般的に、ある特定の分野における売り上げは上位の20%が全体の80%を占めるという冪乗の法則(あるいは、20と80に限ってはいないがパレートの法則)に従っているとされている。

今までのオフライン小売店では在庫の制限などでこの上位20%に当たる商品を多く揃えなければならず、その他(80%)は軽視されることが多かった。しかし、Amazon.comなどのオンライン小売店は在庫や物流にかかるコストが従来の小売店と比べて遥かに少ないので今まで見過ごされてきたこの80%をビジネス上に組み込むことが可能になり、そこからの売り上げを集積することにより新たなビジネスモデルを生み出した。そのことを説明する時に使われるのがロングテールである。

ロングテールを語る際には「ヘッド」と「テール」という言葉が使われる。厳密に言うとロングテールにおける「ヘッド」とは現存する最も大きな小売店に置いてある商品の集合体(あるいは数)を指し、「テール」とはそれ以外の商品を集合体として呼ぶ際に使われる。本の分野だと最も巨大な店舗に置いてある商品の売り上げ上位から下位全てがヘッド部分に属しそれ以外はテールに属しているということになる。これはロングテールがオンライン小売店の特徴的なビジネスモデルを説明するために使われ始めた点と符合する。

しかし「ヘッド」はしばしばヒット作や多くの人たちが知っている作品・ブログ等を呼ぶ際に使われ、テールはそれ以外を指す際にも使われることがある。またパレートの法則から上位20%をヘッド、下位80%をテールと呼ぶこともあるがこれはそもそもの言葉の定義上必ずしも正確な使用法ではない。

しかしロングテールという言葉が普及するにつれ、元々の意味を拡張した解釈がなされており、必ずしもこれらの使い方が不正解とは言えないところである。

== ロングテール・ビジネスの分類 ==
それぞれ独立しているわけではなく、組み合わせとして存在している場合も多々ある。

;フィルター
:テール部分をフィルターして需要と供給のマッチングを助けてくれるサービス。代表的なものがGoogleやYahoo!などの検索エンジン。またdel.icio.us、はてなブックマーク、Flickrなどエンドユーザーがタグ付けを行うことでコンテンツを特徴づけ(これを「フォークソノミー」、大衆による分類という)最適なコンテンツへ辿り着けやすくするサービスもフィルターの一部に含まれる。
;フィードリーダー|アグリゲーター
:テール部分を集積するサービス。代表的なものにアップル インコーポレイテッド|アップル社のiTunes Store、Amazon.com、eBayなどがある。ヘッド部分とテール部分両方を抱えるのが特徴である。
;制作ツール
:テール部分をヘッド部分と比べて大きくするツールやサービス。各種ブログサービス、音楽制作を簡単にしたアップルコンピューターのGarageBand、ポッドキャスティング|ポッドキャスト作成を容易にしたOdeoなどがある。
;著作者|制作者
:上記のツールやサービスの恩恵を受ける形で今までは需要がなかったコンテンツ制作者のビジネスの可能性の拡大。
:例えば広告媒体として今までは考えられていなかった個人運営ブログがGoogle Adsenseなどにより広告媒体として機能することを可能にした。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 GNU Free Documentation License.

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