法律行為とは

法律行為(ほうりつこうい)とは、大陸法系の民法における概念で、人が私法上の権利の発生・変更・消滅(法律効果)を望む意思(効果意思)に基づいてする行為であり、その意思表示の求めるとおりの法律効果を生じさせるものをいう。法律行為は一個または数個の意思表示を不可欠の法律要素とするが、講学上は、意思表示の結合の態様によって、単独行為、契約、合同行為以下の下位概念に分けるのが伝統的通説である。民法はこれらに共通する規定を「第1編 総則 第5章 法律行為」として設けている。

私人の間の権利義務関係(法律関係)の変動(発生・変更・消滅=法律効果)の原因となるものを法律要件というが、(一定の法律効果を希望する)意思の表示を内容とする法律行為はそのもっとも重要なものである(他の法律要件としては、不法行為や時効などがある)。近代市民社会の個人主義・自由主義の下では、私法上の法律関係は各人の自由な意思に基づく法律行為によって規律させることが原則である(法律行為自由の原則)。法律行為は言うなれば当事者間に適用される私的な法律を当事者の意思によって制定・改廃する私的な立法作用のようなものである。

==民法での構成==
日本では、民法の第1編第5章法律行為において、規定されている。
*総則 - 意思表示 - 代理 - 無効および取消 - 条件および期限
====意思表示の態様による分類====

単独行為、契約及び合同行為の3つに分類される。

*1個の意思表示を要素とする行為(単独行為)
**取消し
**解除
**同意
**許可
**遺言
**信託宣言

*複数個の意思表示による行為
**契約 :相対立する意思表示の合致であるとするもの。ただし、組合契約等については法文上は「契約」であっても講学上は合同行為であるとする見解もある。
***売買契約
***贈与契約
***消費貸借契約
***賃貸借契約
***請負契約
***委任契約
***信託契約
***組合契約
***匿名組合契約
***有限責任事業組合契約
**合同行為 :目的を同じくし相対立しない数個の意思表示の合致
***社団設立行為
**決議
**協約

労働協約や複数人が共同して物を購入する行為等については、意思が合同する部分と相対立する部分の二つに分けて考える立場と一体として第3の類型であるとする立場がある。

====要式行為と不要式行為====
*要式行為:一定の方式を踏まなければ不成立もしくは無効とされる法律行為。
**遺言
**婚姻
**定款作成
**寄付行為
**保証契約
*不要式行為:決められた方式なしに成立する法律行為。
*:原則は不要式行為である。

====生前行為と死後行為====
*死後行為
**遺言
**死因贈与
*生前行為
*:その他一般の法律行為
====独立行為と補助行為====
*独立行為:それだけで成立しうる法律行為。
*補助行為:それだけでは成立しない法律行為。
**取消
**解除
**同意
**許可

==準法律行為==
法律効果を発生させる行為のうちで何らかの意思的要素を伴うが,法律行為とは異なって効果意思は伴わない各種の行為をいう。権利関係の変動を目的としない意向の表明に対し、法が一定の効果の発生を認め法律行為に準じて、法律行為・意思表示に関する諸規定を類推適用される。

===種類===
*表現行為:一定の意識内容を表現するもの
**意思の通知
***催告
***請求
***弁済の受領拒否
**観念の通知
***過去的観念通知
****代理権を与えた旨の通知(b:民法第109条|109条)
****債権譲渡の通知(b:民法第467条|467条)
****債権譲渡の承諾(b:民法第467条|467条)
***現在的観念通知
****定時総会における計算書類の承認
***将来的観念通知
****社員総会招集の通知
**感情の表示
***宥恕(ゆうじょ)
*非表現行為:一定の意識内容を表現しないもの。
**無主物先占(b:民法第239条|239条)
**遺失物拾得(b:民法第240条|240条)
**埋蔵物発見(b:民法第241条|241条)
**事務管理(b:民法第697条|697条)

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 GNU Free Documentation License.

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