本当に大事なことは？（ビズキューブ）

本当に大事なことは？

システムを作ることが一番の目標になっていませんか？

「ホームページを作りました」
「顧客管理システム導入を決めました」
「社員一人に一台ノートパソコンを購入しました」

ITを検討したことはとても前向きで良いことだと思います。
でも考えてほしいことがあります。

「ホームページは作ることが目的ですか？最初は何を考えてホームページを検討したんですか？」
「顧客管理システムは何のために必要なんですか？」
「一人一台は良いのですが、何に使わせるのですか？」

多くの経営者の方が、問題なく導入されたり、順調に導入が決まると、一番最初に悩んでいたことを忘れてしまっていることが多くあります。

ITは道具であることは以前お話したとおりです。
ということは目的なしに購入しても意味がないということもおわかりですよね。
最初は「ITはお金がかかる」「ITは無駄」と言っている経営者でも、ちょっとしたことでITを導入することだけが目標になってしまっていることがあるんです。

例えばある大手のSI会社から突然提案があると、これまでITなんて、と言っていた経営者でも「あの有名な会社が提案してくれるということは、うちにはメリットがあるんだろう」という気持ちになって、あとはそのSI会社まかせ、ということも良く目にします。

日本人はブランドに弱いこれはいろんなところでよく聞く言葉ですが、ITでも同じことが言えるようです。
地元の小さなIT会社がいくら真剣に提案しても見向きもしなかった経営者が、大手の有名SI会社が提案すると、すんなりと決定してしまう。
これはまさに「あの有名企業だからまかせれば安心」というブランド名だけで決定していることだと思います。

大手SI会社に頼むのがいけないということではありません。

その時点で、企業の戦略ではなく、ITを導入することが目的になってしまいっていることが問題です。どう作ればいいか、何を作ればいいかなんて後の話です。

まずは、
「企業内のどのような課題をどのようにして解決するか」
「ある業務を定常化するにはどうしたらいいか」
など、導入し活用することによる課題解決のノウハウを身につけることです。

決して私がITのコンサルタントだから「ノウハウが必要」と言っているのではありません。
ノウハウは今の世の中、インターネットをフル活用すれば結構な情報を入手することが可能です。
問題は「集めた情報をどのように活用するか」です。

こればかりは経験がないとうまくいきません。また時間もかかります。

「お金がかかるなら時間をかけて自分で何とかする」
という経営者がいます。

考えてみてください。経営者の時給って計算したことがありますか。
例えば月収200万だとしたら？
経営者ですから本来は24時間365日で固定休暇はないといいたいところですが、大抵の経営者はしっかりと休みをとっていますよね。

中小企業の経営者の場合は、単純に計算しても時給はでません。
何故なら多くの中小企業は経営者自身がもっとも優秀な営業マンであることが多いからです。
その経営者が1日何時間かをまだ何も見えないことに費やしているとしたら？

きっと数か月の間、営業する時間を削って課題解決策を調べなければなりませんから、それだけの影響があると思います。

時間をお金で買うこういうと聞こえは悪いですが、経営者はこの判断も重要です。

専門家に頼めば短期間で解決することが、知識のない人が頑張っても何倍もの時間がかかります。
ただ単に時間だけが過ぎるだけならいいですが、その間、うまく専門家を活用した同業他社が先に行ってしまう可能性は非常に高いです。

時間がもっとも高価であるこのことは経営者が一番わかっているのではないでしょうか。

そういう視点で考えると、無駄なく企業の課題を解決するために、道具として専門家を活用することはとても理にかなった経営者の戦略だと思います。

ITを導入することは最終目的ではありません。

ITをいかに活用するか、活用することで企業内の課題をどう解決するかこのノウハウを集め、このノウハウを企業内で活かすことで課題を解決することが最終目的であることを忘れないでほしいと思います。