『経営理念は必要か?』とビジネスマンに聞くと、たいていは「必要である」
と言う答えが返ってきます。
では、「どういう時に必要性を感じるか」と聞くと、しっかりした返答をされる方
は、そう多くないようです。
「経営理念の必要性は知っているが、必要性を実感じていない」と言う事で
しょうか?
そこに、『経営理念の徹底』が出来ない理由がありそうです。
会計事務所職員の中には、「経営理念」について、質問を受けた事がある人
も多いかと思います。そんな時、どのように応えるのでしょうか?
全く無反応な態度や聞き流してばかりだと、顧問先からの信頼感を得られな
いかも知れません。
今回は、「経営理念」について、考えてみたいと思います。
改めて、先ずは「経営理念の位置づけの意味合い」を知る事です。
経営にとって一番上位の概念であり、時代が変わっても普遍的な哲学
で、全ての判断の根幹をなすものと言う事です。
一般に「経営理念」・「基本理念」・「社是」・「社訓」・「使命感」等と表現され
ますが、細かい解説は別として、大よそ同じような意味合いと思って頂いて
結構です。
「基本方針」・「経営方針」・「事業目的」・「コンセプト」と混同している人もいま
すが、これらは中位の概念であり、時代と共に変わる姿勢といえます。
ですから、『経営理念』の位置づけとは、
� 〜瓦討侶弍槌獣如Ψ弍鎚�針・戦略の拠り所であり、最高意志決定に
大きく影響する価値観である。
�◆ 愀弍塚�念』は、厳しい困難や会社としての岐路に関わる状況になった
時、経営者の心の支えとして、大きな影響を与える精神的な支柱。
と、言えるのです。
それでは経営理念がない企業、または経営理念があっても活かしきって
いない企業には、どんな問題が顕在するのか整理してみると、下記のような
事が言えるようです。
◆経営には浮き沈みがあるが、悪い状況が続いた時に、経営者自身の
精神的な支柱がない為に踏ん張れず、存続ができない。
◆利益が出た時、その使い方に経営理念が現れる事がある。儲けを水泡
のごとく浪費したり、節税から脱税になったり、経営者個人の資産づく
りのみに奔走したり、マネーゲームに明け暮れるなど、「おカネ」が人を
変える事になっていく。
◆「企業は公器」と言う考えができない為、私物化に走りやすい。
◆「儲けていれば何をしても構わない」と言う風土が出来、人格形成に
必要な努力や人材教育をしない場合もある。
◆「経営理念」は、従業員をまとめる為の価値基準である為、それがなけ
れば組織を構成している社員の思想がバラバラになりやすい。
◆「崇高な価値観は崇高な人材を創る」。目先だけで右往左往する経営
者や社員が多い組織は、理念浸透が出来ていないと言う事。
◆経営方針や戦略が毎年大きく揺らぎ、脈絡なく変わっていく。業績悪化
すれば、非人道的なリストラを実施したり、また正しい納税をせず、
利益隠蔽するのも、理念の希薄さである。
◆浮利を追求した拝金主義が横行する事もある。
◆平気で人様に迷惑を掛けたり、反社会的または倫理欠如の行動に
走る事も多々ある。
いかがでしょうか、「経営理念」が無形の財産と言われる所以です。
しかし、そんな大切な「経営理念」を、再構築したいと言う企業が結構あるの
も事実です。
「経営理念の再構築する理由」として、下記のような事に該当すれば、その
時期かもしれません。
�仝什澆侶弍塚�念が次世代や後継者、将来の幹部・社員にも通じるかどう
か疑問な場合。
��現在の仕事や業務・価値観とマッチしていないと感じた時。
�7弍塚�念が経営者や社員の精神的な拠り所や判断基準になっていない
と感じた時。
�た靴燭粉覿搬里箸靴峠佝�するには、今の経営理念が相応しくないと感じた
時。
�ヂ燭�の幹部や社員に、その意味が理解されていないと感じた時。
�Γ達鼻淵魁璽櫂譟璽肇▲ぅ妊鵐謄�ティ)の再構築に必要性を感じた時。
�Х弍塚�念の意味合いが深すぎて、現実と全くマッチングしないと感じた時
��本来の意味合いは大事にしても、表現方法を変えて分かりやすくしたいと
思った時。
��幹部・社員の価値基準がバラバラで、思想の拠り所を明確にしたい時
等々です。
そこで今度は、元々ある「経営理念」、再構築された「経営理念」を、どう行動
に活かすか、判断に反映させるかです。
私達がコンサルティングする企業にお伝えしているのは、下記の6点です。
◆ 新規事業への進出や、大きな経営判断をする等の重要な意思決定の
際の判断基準として、「経営理念」の意味を経営層で再確認する。
◆ 役員会や幹部会で、幹部が発した言葉や行動が、理念と相反している
場合は、毎回、理念を持ち出し動機付けをする。
◆ 目先の損得ではなく、理念に照らして正しい判断をしていると確信でき
るかを確認する。特に大きなクレームや事故後の反省に活かしている
かが重要。
◆ 「経営理念」再認識の為の幹部研修会を年に1回位は実施する。
◆ 幹部社員には、いつでも「経営理念」に触れ合い、読んで確認せざる
得ない事から浸透が始まる。提示してあるだけではダメ。
◆ 抽象的な「経営理念」の意味を詳細に整理し、言葉一つ一つの意味の
説明文を作成し、経営の判断基準として文書化する。
(経営理念手帳やクレドにする)
いかがでしょうか。
最近は、クレドと言う形式で、社員一人一人にカードを持たせ、理念に即して
各自で判断するように教育している企業も増えているようです。
「経営理念」は、こうあるべきだと言う答えはありません。
職員からの提案でその意識が高まる経営者も多いようです。
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