よく電話がかかって来ます。売却や運営委託希望のホテル・旅館を紹介して欲しいという内容です。しかし、ホテル・旅館の現状をどこまでご存知なのか不安です。
ホテル・旅館は今たいへんな状況です。観光市場が縮小傾向にあり、インバウンドも止まったままです。
さらに大きな問題があります。大規模修繕・補修、耐震工事が必要なのですが、資金不足のためにできないといった事情があります。
また、ほとんどのホテル・旅館が実質債務超過のような状況だと思います。デューデリを行うとすぐにわかるのですが、そこには手を入れていないということが多いです。赤字続きで、返済がきつくなっているということだけがわかっていて、実態がつかめていないことがよくあります。
さて、購入されて果たして黒字化は可能なのでしょうか?
こちらが心配になってきます。
今後出て来ます。5年くらい待っていて下さいと言っています。買いたいなら、いくらでも出て来ると思います。
ただし、再生スキームをどのように考えておられるのでしょうか?
買いたいと言ってもまずは債務超過の解消からです。残債の処理を行わない限り前に進まないと思います。
さらに再投資が必ず必要です。出て来る案件はおそらく築30年以上、ひょっとすると50年以上かもしれません。そうすると建て替えが必要な場合もあるかもしれません。
では何を買うかというと、ホテル・旅館の暖簾、ネームバリューだけということになってしまいます。
建物が傷んでいなくて、たまたま経営が上手くできなかったところというのは、稀だと思います。そのような案件ならすでに買い手はついているはずです。
おそらく今後は、解決策が見つからないような複雑な案件が多いような気がします。
新しい再生スキームを考える必要があるかもしれません。
一つの成功事例をモデルとして全国展開というのが厳しくなっています。
個々に複雑な問題を解決して行かない限り、再生は難しいと思います。
ビジネスコラム提供者情報
- コンサルタント:経営
- 株式会社 武内コンサルティング
- 大阪府東大阪市長栄寺11-5-804
大学を卒業後、経営コンサルタントで知られる船井総合研究所で 17年間お世話になり、平成19年10月1日より独立・開業いたしました。 事業内容・行動内容は、中小企業様・個人店様対象の現場密着型の コテコテ経営コンサルタントです。 独立 …
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