宝の山はそこに
(ブルー・オーシャン)
今回は、兎角近頃、話題を集める食品問題に触れてみたいと思います。
ただし、企業倫理の問題でなく、商品開発の視点からです。
この視点から興味を持てるものに、やや古くなりますが、“こんにゃく”があります。
********** 何故? 群馬県に集中 **********
こんにゃく芋の国内生産量は、平成元年85,600tを底に、一時回復し、平成3年122,500tとなりましたが、以後は、再下降となり、平成16年は70,753tの収穫量となっています。((財)日本こんにゃく協会HPより)
この内、実に89.4%に相当する63,300tを群馬県が算出していることも、驚きですが、海外からの輸入が32,547tと、国内の自給率が低い食品類の中にあって、この高い自給率を維持していることも驚きです。
こんにゃく、この生芋を栽培するのも、4年がかりとのこと、1年目に種芋から生子(きご)を収穫、これを翌年植えて1年玉を収穫、更にこれを翌年植えて2年玉を収穫、再度これを翌年植えて、秋に収穫したものが生芋とのこと。 この生芋を製粉加工し、この粉から、こんにゃくを製造するわけです。他の食材と比較するとその生産性は、かなり低い食材と言えます。
しかも、このこんにゃくの生産に向く地は、通常の畑地としては適さない、山間部のやや寒い、水はけの良い斜面が適するとのこと。 労働条件が悪く、生産性も低く、しかも商品としての魅力にも乏しい農作物です。 企業家の論理では、採算に合わない素材となります。
こんにゃくで有名な地に、下仁田があります。 群馬県の西部に位置するこんにゃく特産地です。 この地は、また下仁田ネギでも有名です。 この地にしか出来ない独特なもので、こちらもねぎ栽培の常識からはかけ離れた、収穫までに1年を要し、しかも出荷は10月から1月頃と、限られた期間しかありません。
ともに、古く江戸の時代からの特産品。 現在のグローバル化による影響も、大きく受けることもなく、現在まで特産品の生産事業が引き継がれていることの理由の一端が垣間見えた感があります。
しかし、このこんにゃくも、他の多くの商品と同じく、国内ではその消費が順次、縮小し、生存のための競争が激しくなる中、新市場開拓の試行が繰り返されています。
********** こんにゃくの変身 **********
最も代表的な成功事例は、大抵のスーパーでスペースを確保し、その存在感を示している
�螢泪鵐淵鵐薀ぅ嬌稜笋玲艾衄�でしょう。 �螢泪鵐淵鵐薀ぅ佞肋赦�54年に設立され、蒟蒻ゼリーの製造をスタートしましたが、本格的に市場支配を目指したのは、平成4年に蒟蒻畑を発売開始してからです。
従来のおでんの中のこんにゃく、よく言われていたのは、“体の砂おろし、時々食べなきゃ”でした。 食事の際の完全な脇役です。
それが、蒟蒻畑のコンセプト、“おいしくて、おなかもキレイ”は明らかに、従来のこんにゃくが持つイメージから違っていました。
おいしく食べられる工夫、フルーツ味の添加、これにより、食事の脇役から、おやつとして、食後のデザートとして食べられる市場が開拓されたわけです。
ほんの少しの越境、従来商品を、ほんの少しコンセプト変更することにより、やや斜陽気味の事業が再生されたことになります。
業界の斜陽を嘆く前に、ほんの少し、越境する勇気を持ってみませんか?
********** 痩身麺 **********
同じく、こんにゃくで、もう一社取上げてみます。
有限会社ウエダ食品、この企業は昭和52年創業の大阪に在るこんにゃくの扱いを専門とする食品卸業です。平成11年にインターネット販売に着手しましたが、普通のこんにゃくでは売れませんでした。ここで、健康ブームに乗れる「ダイエット」をキーワードに、こんにゃくのダイエット効果に目を付け、こんにゃくをダイエット食品として、日常的に食べられる食材の開発をスタート。 こんにゃく製造メーカとの協力で、蒟蒻ラーメン「痩身麺」を開発し、販売を始めました。 ユニーク食材として、マスコミに取上げられたこともあり、その後は、順調にインターネットでの販売が進んでいるようです。
このように、結構古くからある食材も、取り組みに、従来の業界常識とは違う視点を入れると、新しい食材として生き返ります。 ほんの少し、業界常識を外れたゾーンで、時代のキーワードに合致する範囲が、新分野の可能性を秘めています。
********** ここでも変身 **********
同じように、ブームに乗った市場で、すこし視点を変えて、大きな市場開拓に成功したものがあります。 平成に入ってから、特に目にする機会も多くなった健康食品。 この中にあって、従来は余り注目を浴びなかった栄養素材が登場し、話題を集めています。
DHA、コラーゲンともに、能の活性化や、肌の栄養素として、脚光を浴び、各種サプリメントとしても登場していますが、原料は、マグロの油、牛骨、牛皮、豚皮、魚のうろこ等、本来は、廃棄処分のために、頭を悩ましていた素材です。
これら廃棄用のものが、栄養素材の原料となる。 従来の頭痛の種が、視点を変えると、
一気に宝の山です。
こんにゃく、栄養素材、これらに共通する事項は、ほぼ無限と言える開発ゾーンが存在する事実です。
現事業の頭打ち、衰退で、業績悪化に頭を悩まされている事業者は多くおられると思いますが、少し視点を変えますと、世の中、無限の可能性が広がります。
********** ブルー・オーシャンへ **********
この頃話題の、「ブルー・オーシャン戦略」、W・チャン・キム氏の著作です。
他企業と同じ市場で、既に多くの企業が参入し、激しい血みどろの戦いが繰り広げられているレッド・オーシャンでなく、誰も参入していない無限の新市場、ブルー・オーシャンへのお誘いです。
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