競業避止の有効性
◇競業避止とは?
競業避止とは、自社の社員が同業他社に再就職しないように禁止することをいいます。会社としては、社員が在籍している間に得たノウハウや情報を同業他社で利用されたりすれば、損失は計り知れないものがあります。そうしたリスクを考えると、できるだけ退職する者には同業他社に転職してほしくないものです。そこで、社員に競業避止の義務を課すことになるわけですが、果たして、実際のところ競業避止の有効性はどの程度なのでしょうか?
◇競業避止の条件について
まず、この問題で真っ先に押さえておかなければならないのは、憲法22条です。いわゆる、「職業選択の自由」を定めた条文で「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」としています。つまり、競業避止は、この憲法22条を制限することになるため、これを有効にするのはかなり大変ではあります。
ただ、裁判例では「競業避止の内容が必要最小限の範囲であり、また当該競業避止義務を従業員に負担させるにりうる事情が存するなど合理的なものでなければならない」(平12.6.19大阪地裁判決)と条件つきで認めたものや、「習得した業務上の知識、経験、技術は労働者の人格的財産の一部をなすもので、これを退職後にどのように生かして利用していくかは各人の自由に属し、特約もなしにこの自由を拘束することはできない」(昭43.3.27金沢地裁判決「中部機械製作所事件」)と、特約がなければ競業避止の義務を課すことはできないとしたものもあります。
競業避止に関する裁判例は数多くあるため有効性の基準を定めるのは困難です。しかしながら、数多くある裁判例を見ると、認められるか否かは下記の条件を総合的に満たしているかどうかが重要なポイントになっているのも事実です。
1.競業避止の対象となる期間、地域、業種や職種を限定している
2.在籍中に特別な業務を行っていた
3.何らかの代償的な手当を支払っていた
4.誓約書や就業規則で定めている
このようにかなり限定的な条件が示されており、特に社内における地位の高い者で重要な業務を担っていることが必要だと言うことができます。そのため、一般社員に関しては余程のことがない限り、認められることがないでしょう。
また、競業避止の期間が話題になることもよくありますが、これもケース・バイ・ケースとなっており、3年で認められたケースもあれば1年でも認められなかったケースもあります。そのため一般的には2年程度が妥当として誓約書や就業規則に2年と設けているケースが多いようです。
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