フィードバックとは

フィードバック (feedback) とは、ある系の出力(結果)を入力(原因)側に戻すことをいう。増幅器の特性の改善、発振、演算回路及び自動制御回路などエレクトロニクスに広く利用されているのみならず、システムの挙動を説明する為の基本原理として機械系や生物系、経済などにも広く適用例がある。自己相似を作り出す過程であり、それゆえに予測不可能な結果をもたらす場合もある。

== 基本的概念 ==
フィードバックとは、元来はサイバネティックスの用語である。生物の恒常性や多様性を支えるしくみにその原理が見られる。

基本的には、ある操作をおこなう系があり、そこへの入力と出力があるとき、その出力が入力や操作に影響を与えるしくみがあるとき、これをフィードバックという。ここで、ある瞬間の入力と出力の関係を増幅率と呼び、特にフィードバックを行っていない場合の系の増幅率を「裸の増幅率」と呼ぶ。また、フィードバックして戻ってきた値が、最初の入力に対して何倍になっているかをループ利得という。

出力の増加が入力や操作を促進する場合を正のフィードバック、逆に、出力の増加が入力や操作を阻害することを負のフィードバックという。工学分野では、しばしば正帰還および負帰還と呼ぶ。なお、ループ利得は正のフィードバックでは正の値に、負のフィードバックでは負の値になる。

正のフィードバックが働いている場合、フィードバック系の増幅率は裸の増幅率より大きな値となる。ここで特に系のループ利得が1を越える場合には、何らかの破綻が起こるまで出力は増大しつづける。これを避けるには、出力の増大に従ってループ利得が1以下となるような仕組みを導入する必要がある。また、ループ利得が1以上時の特徴的な振る舞いとして、入力が途切れても出力を続けることが出来る、ということが挙げられる。さらに、この領域では初期値の違いが時間の経過にしたがって無限に引き伸ばされるため、僅かな初期値の違いがシステムの挙動を大きく変える(カオスな振る舞いとなる)場合がある。これは複雑性や多様性を生み出す原動力となりうる。

負のフィードバックが働く場合は、フィードバック系の増幅率は裸の増幅率より小さな値となる。この増幅率の余裕分の範囲で、出力の増加は増幅率を引き下げるように働き、出力の低下は増幅率を引き上げるように働くので、出力の変動を抑えることが出来る。したがって、負のフィードバックの方が応用範囲が広く、単にフィードバックと言えば負のフィードバックのことを指す場合も少なくない。

また、負のフィードバックを行なっていても、フィードバックが時間遅れを従っている、言い換えるとループ利得が周波数特性を持っている場合には、出力の「増加させ過ぎ」「減少させ過ぎ」を繰り返してしまう場合がある(これは、一定の時間遅れのときだけ正のフィードバックになってしまう、と表現する事も出来る)。この状況に陥る時間遅れにおいて、ループ利得が1を越える場合は出力は一定の値に収束することなく変動を続ける。この状態を特に発振という。
現実の世界ではフィードバックに必ず時間遅れが発生するので、発振を避ける工夫が必要になる場合がある。
<!--ただし、負のフィードバックが系の安定を必ずしも保証するものではない。人間が直立していられるのは、実際にはわずかに揺らいでいて、傾いた側の足に体重がかかると、自動的に力が加わって姿勢を立て直すためであり、ここにも負のフィードバックが働いている。ところが、小さなボートの上に立った場合、往々にして揺れが大きくなり、ボートがひっくり返って転覆してしまう。負のフィードバックもやり過ぎると破綻が起こるという良い例である。-->


【フィードバック】
フィードバックとは、結果について伝達するだけでなく、結果を導くための計画立案や実践行動の反省点についての情報を伝達することを指す。
効果的なフィードバックは、a) ポジティブなものだけでなく必要であればネガティブなものについても伝えること、b) 対象となる行動が起きたらすぐに伝えること、c) 抽象的なものではなくより具体的な形で伝えること、などが重要である。

通常評価時に上司から与えられることが多いが、必ずしも評価時や上司からに限られたものではない。日常業務において、また上司以外の第三者(例えば顧客)からなどの様々な場面やソースから発信されたパフォーマンスに関する情報も有効なフィードバックと言える。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 GNU Free Documentation License.

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