第1章 営業マンの誤解。営業マンの危機=会社の危機?

第1章 営業マンの誤解。営業マンの危機=会社の危機?

1)アプローチ編−

 アプローチとはお客さんの所に初めて行く。または既存の取引先に新しい提案を持っていくような状況のことをいいます。アプローチにおいては、特に営業マンの「誤解」が蔓延しています。これじゃ、アプローチは、上手く行くわけがないのです。

 岷超肇泪鵑聾亀い茲」の誤解

−「誰に習ったの?」「大手企業の教育研修です。」

 

若手の営業マンに同行しました。ある会社にこの営業マンは元気よく入っていきます。「おはようございます!!! 日の丸会社の山田です。建設機械を扱っていますが、社長様か責任者様かいらっしゃいますか!!!」とフロアーに響く声。明らかに声がでかい!一人の事務員さんがいやそうに近づいてきて、対応してくれます。名刺を見ている間にこの営業マン、もう一度同じことをいいます。また、声がでかい! 受付の事務員さんは小さな声で返してくれました。「あのー出かけていますけど…」「そうですか、いつお帰りですか!」また、また、でかい! あきらかに、事務員さんは周りを気にしだしています。自分が対応していること自体がいやそうです。関りたくない感じです。「わからないのですが…」「そうですか、担当者の方もいらっしゃいませんか」事務員さんは総務の担当者と思われる人をチラッと見ました。するとその人は、手を小さく左右に振り、いないと言ってくれという合図を送っています。しようがなくて事務員さんは、「はい、いません」「そうですか。じゃ、またあらためて、お邪魔します」と振り向いて、営業マンはドアを出ました。同行の私も同じようにドアを出ました。この営業マン、けげんにあつかわれたことがわかったようで、少々肩を落とし気味です。

 

そこで、私は、会社を出てから営業マンに聞きました。「この営業方法はどこで習ったの?」「はい、大手企業の教育研修で習いました。『だいたい、営業マンは元気でないといけない。元気に入れば、おっ、元気な営業マンが来たなと認められるのだ! だから、一にも二にも、まず営業マンは元気が必要だ!』って習いました。」「はっ? 何のために訪問しているの?」

 

この営業マンは、元気で、姿勢もよく、営業の見本みたいな人でした。でもね、元気でスカットしていても、相手の仕事へのお役立ちとは結びつきにくいんですね。そこで、私がアドバイスしたことは…(第2章のアプローチ編で解答します)

 

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−「誰に教わったの?」「先輩がこうしてました。」

 

ある中堅営業マンに同行しました。企業に訪問する前にいろいろ話をしました。その営業マンは趣味で手品をしているといいます。手品をお客さんに見せると喜んでくれ仲良くなれるそうです。私はそれは面白いし、いいのではないかと言いました。そうこうしている間に、訪問の企業に到着しました。

 

応接室に通され、担当者がやってきました。ニコニコはいいのですが、どうもペコペコしている感じです。最初の気候の挨拶や世間の状況の話がやたらと長いのです。そして、やっと企業パンフレットを出して自社の話を始めたと思ったら、1〜2ページめくっただけで、後は見ておいてくださいと言うのです。(意味もわからないのにきっと見るわけがないのです。パンフレットの無駄使いです。)そして、驚くことに、次には手品を始め出したのです。これにはビックリしました。宴会などでやるのかと思ったら、アプローチでやっていました。ま、それはそれでいいかもしれませんが、手品が終わったら「また、よろしく」と言って会社を出てしまいました。

 

そこで、私は、会社を出てから営業マンに聞きました。「これって、目的は何?」「まず、久々なんで、思い出してもらって、それで人間関係を作ろうと思いまして」「はっ? これって誰に習ったの?」「いや、習ってはないんですが、先輩がやっていました」「その先輩は、どうしているの?」「もう、やめました」「はっ?」

 

―この営業マンは、本当にいい人なんですね。なんか、いい人の見本みたいで、人情があるというか、やさしいというか、でもね、「営業とは相手にお金を払わせるもの」的なこちらにひけ目みたいなものがあるんですね。だから自分の仕事について正々堂々と言えないんですね。そこで、私がアドバイスしたことは……(第2章のアプローチ編で解答します)

 

「お客さんの話を聞けば相手に気に入られ、営業マンの話も聞いてくれる」の誤解−「なんでそうなの?」「いや、本に書いてますよ、そうしろって」

 

  今度も中堅営業マンに同行です。ある企業に訪問しました。社長が出てきてくれたので、当社のことを話し始めると、あるきっかけから相手の社長が話し出しました。現在の世の中の状況、世界経済、有名企業家の話、自分の所属している経営者の会での話、そして家族の話に及んで、趣味のゴルフの話まで。この営業マン、うなづきながらずっーと聞いています。すでに時間は1時間。私が業を煮やして、相手の社長に、現在望んでおられることや困っていること、また現在の問題課題を質問し、当社の商品についての関心を質問したところ、関心を持っておられることがわかりました。そこで、次回に提案書を持ってくることを約束し、次回のアポイントメントを取り会社を出ました。

 

そこで、私は、会社を出てから営業マンに聞きました。「これって、何時まで聞くつもりだったの?」「いや、社長が話し続けていたので、話が終わるまで聞くつもりでしたが…」「はっ? それって誰に習ったの?」「いや、よく本に書いていますよ。人の話は切らずに最後まで聞けって」「じゃ、5時間話したら、最後まで聞くの?」「しようがないですね。最後まで聞かないとね」「はっ?」

 

−営業本って良く出ていて、私も新人の頃はどうしていいかわからず、沢山本を買って読みました。特に「話は聞け」なんてよく書いているのですが、これって意味もわからず自分なりの解釈をするから困るんですね。そこで、私がアドバイスしたことは……(第2章のアプローチ編で解答します)

 

ぁ岷超肇泪鵑蓮△願いしなくてはならない」の誤解

−「なんでそうなの?」「いや、だって売らないといけないですから」

 

   少々古株の営業マンに同行です。相手先へ訪問すると、基本的にやはりペコペコ。そして口癖が「お願いします。」です。「ぜひ、お願いします。」「そこんとこ、お願いします。」「よくわかるんですが、お願いします。」「それをなんとか、お願いします。」そして、そのお願いしている姿勢もますます低くなります。そして、回数にして10回以上お願いして、会社を出ました。

そこで、私は、会社を出てから営業マンに聞きました。「なんで、そんなにお願いするのですか?」「いや、だって売らないといけないじゃないですか…」「じゃ、お願いしたら売れるのですか?」「いや、それはわからないですけど、お願いした方が少しでも売れる可能性があるでしょう」「はっ?」

 

−「お願いします」は謙虚でいいのですが、あなたは「お願いします」と言われて物を買ったことがありますか?お願いされても大事な自分のお金や会社のお金を出すことはないでしょう。「お願いすれば人は動いてくれる」は誤 解なんですね?そこで、私がアドバイスしたことは……(第2章のアプローチ編で解答します)

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  では、アプローチとはどうあるべきなのでしょうか。アプローチとは「接近」という意味です。そう考えれば、答えは簡単なのです。なぜ、元気だとか、人間関係だとか、話をまず聞かなければいけないと思っているのでしょうか。実は営業マンがそうしないと接近できないと思っているのです。つまり、営業マン自身が本質的に「営業マンは嫌がられる」と思っているのです。よろしいでしょうか、ここが大事なところです。「営業している自分は嫌がられる存在なんだ」と思っているのです。

 

   じゃ、嫌がられるものを持って行っているのでしょうか。いいえ、そうではないはずです。御社は提供している商品やサービスで、その会社や相手にお役立ちに行っているはずです。だから、まずは、「相手にお役に立ち出来る!お役に立ちたい!」という情熱は営業マンの何と言っても第一条件ですね。そして、その情熱を持つためには、自分の商品・サービスを分析して、他のどこにもない強みを自覚する必要がありますね。商品自身が他でも売っていて差別化しにくい商品なら、自分の会社や自分自身も含めて強みにすればいいのです。(この分析方法はセミナー等で行なっています)だから、相手先で絶対に嫌われることはないのです。

 

ただ、こちら側は営業先に必ずお役に立つ事ができるという自信を持っていても、相手が当社の商品やサービスを提案できるかどうかは相手のニーズや状況によるのです。つまり、相手のニーズや状況を聞き、相手が当社の商品やサービスの検討してみようという気持ちを持ってもらうことができたら、当社はプレゼンテーションに入っていけるのです。

 

   これがアプローチなのです。つまりアプローチとは、自社が営業先に行き、お役立ち出来るかどうかを調べること、そのために相手のニーズや状況を調べること、そして、そのために必要なことが相手先の「情報収集」なんです。だからその会社の情報が必要なのです。そして情報なら担当者だけでなく、事務員さんにでも聞く事ができます。警備員さんにも聞く事ができます。最終の決定者が社長や、責任者だけ で、あなたの商品やサービスは会社の皆が使っている場合もあるはずです。

 

   つまり、アプローチとは、情報収集であるというのが答えです。そして、その情報収集に必要なのが質問なのです。このような商品・サービスを提供していますが、関心はありませんか。必要としていませんか。いま必要とされていることはどのようなことですか。などの相手の欲求やニーズ、困っていること、問題、課題に対する質問をお客さんにすることなのです。そして、お役立ち出来そうだと思ったら、次回のプレゼンテーションの提案や具体的な資料の提供をすればいいのです。

 

ビジネスコラム提供者情報

  • コンサルタント:営業
  • 株式会社リアライズ
  • 京都府長岡京市開田4丁目4-11

■青木 毅プロフィール 1955年 生まれ。大学卒後、飲食業・サービス業・不動産業を経験。 1983年 米国個人能力開発組織代理店入社。1984年〜1988年の5年間で日本代理店150社セ−ルスマン1000名以上の中でセールスマン部門累計1位。専務取 …

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