■営業の二つの仕事とは？（株式会社リンケージM.Iコンサルティング）

■営業の二つの仕事とは？

～営業マン育成虎の穴シリーズ～

営業には、大きく分けて、「買う理由をつくる仕事」と「買わない理由を潰す仕事」があります。

世界的に有名なカリスマ・マーケティング・コンサルタント「ジェイ・エイブラハム」は、お客様に必ず買ってもらうには、「買わない理由を全部潰すことだ！」と言っています。
とかく、「お客様に、どうしたら買ってもらえるのか」だけを考えてしまう営業マンが多い中、買わない理由をひとつずつ潰すという発想が新鮮でした。

買う理由とは、商品を買うことで得られるお客様のメリットや潜在ニーズを顕在化させることです。

商品を買うことで得られるメリットとは、たとえば、１０分１,０００円の理容店「ＱＢハウス」であれば、一般的な理容店を利用するよりも、時間とコストを大幅に節約できます。
つまり、１０分の空き時間があれば、髪をカットできるということです。
しかも、わずか１,０００円です。

一般的な理容店では、そうはいきません。
たっぷり１時間はかかります。
忙しい人にとって、１時間を捻出するのも大変でしょう。
ですから、ＱＢハウスは、時間というメリットを提供していることになります。

これは、大変わかりやすい例ですが、そもそもニーズやウォンツが滅多に発生しないという商品やサービスもあります。
特に、購入頻度の低い、住宅や自動車などがあげられます。

たとえば、お風呂のリフォームを考えてみましょう。

お風呂をリフォームするのは、家を建ててから２０年以上経ってからでしょう。
つまり、２０年に１回です。

そのきっかけは、「お風呂が手狭になった」「給湯器が壊れた」「お風呂が寒い」「バリアフリーのお風呂にしたい」などが代表的なものです。

しかし、築１０年～１５年では、ここまで明確なニーズは発生していません。
なぜならば、まだ傷みが少なく支障を感じないからです。

では、このようなお客様に対して、どうしたらニーズを顕在化してもらうことができるのでしょうか？

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ほとんどの人は、２０年～２５年に1回、つまり、家を建てるか、お風呂をリフォームする時にしか、お風呂に興味を持たないということです。
ここがポイントです。
結果、最新のお風呂設備や機能を知らない人がほとんどです。

そこで、最新のお風呂設備や機能、そのメリットを伝えます。
そうすると、最新のお風呂設備と現在使っているお風呂の「ギャップ」を感じずにはいられません。
人間とは不思議なもので、ギャップが生まれるとそれ埋めようとするのです。
ニーズやウォンツとは、理想と現実のギャップのことです。
ここに欲望が生まれ、商品を買いたいという感情になるのです。

このように、ニーズやウォンツが希薄なお客様に対しては、明確な理想像とそのメリットを提示し、
現状とのギャップを認識してもらうことで、買う気にさせることができます。
これが、「買う理由を作る」ということです。

一方、「買わない理由を潰す仕事」とは、「今は、お金がない・・・」「今は、まだ早い・・・」「旦那が、反対してる・・・」など、購入できないという理由をひとつずつクリアにしていくことです。
ニーズやウォンツが発生しても、このような理由で買わないという選択をするケースは多々あります。

たとえば、お金がないのであれば、「クレジットやローンをすすめる」「レンタルやリースをすすめる」、
今はまだ早いのであれば、「今だけの特典を用意する」「購入が遅れることのデメリットを明確にする」など、
買わない理由を潰せばいいのです。

この二つが、営業の仕事の中で一番大切な仕事です。
一番大切なのでは、決して商品説明ではありません。

お客様が、ギャップを感じてくれさえすれば、そのギャップを埋める最適な商品やサービスを伝えればいいだけです。
それでも、購入を迷っていたならば、買わない理由を潰すのです。

もし、「営業のコツは何ですか？」と聞かれたら、私なら迷わずこの二つを答えます。