結んではならない労働契約 |
契約自由の原則の下、公序良俗に違反しなければ、どんな契約を結んでも良いという考え方もありますが、この原則を認めると、力関係では勝る使用者が都合のよい契約を締結する可能性があります。
そこで、労働者が不当に足止めをされたり、労働を強制されたりしないよう、労働基準法で5つの規制がされています。
1)違約金の禁止
一定の期間働く約束をした場合に、「中途でやめた場合には、10万円支払う。」というような、労働契約の不履行の場合に違約金を支払う契約はしてはいけません。
2)賠償金額の予定
「会社に損害を与えた場合には、30万円支払う」など、労働者が会社に損害を与えた場合に一定の金額の賠償を予定する契約は結んではいけません。
この契約は身元保証人との間で結ぶことも出来ません。
しかし、だからといって、労働者が故意または過失で会社に損害を与えたような場合に損害賠償を請求することが出来ないということではありません。
3)一定期間勤務した場合には、海外留学などの貸付金を免除するという契約
こういった場合には、2)の賠償額の予定の禁止に違反しないようにします。
費用の金額、返済をすれば退職の自由がある、支払い免除の年数などに注意
4)強制預金の禁止
労働契約を締結する場合に、金融機関と貯蓄契約をさせたり、会社が労働者の貯蓄金を管理する契約をしてはいけません。ただし、労働者からの依頼によって契約することは出来ます。
5)前借金相殺の禁止
労働をすることを条件にした前借金について、労働の強制、退職の足止めを目的とするものは禁止されます。
以上のように、労働契約で結んではならない契約があります。これに違反した場合には罰則がありますから、その点も気をつけてください。
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