名ばかり管理職とはどんな人（うさみ労務管理事務所）

名ばかり管理職とはどんな人

名ばかり管理職と管理職との違いは

名ばかり管理職とはどんな人？

■10月から11月にかけて
例年労働基準監督署の調査が沢山行われます。
その時重点的に調べられるのが
残業に関する以下の2点についてです。

○　労働時間に見合った残業代が支払われているか？
○　「名ばかり管理職」（名前は管理職となっているが実態は従業員）
について残業代は支払われているか？

■　労働基準法では管理職（管理監督者）については
　　残業をしたり、休日出勤をしても
　　割増賃金の支払いは不要となっています。

■そこで、中小企業では実態は従業員と変りないのに
課長などの職位を与えて
「管理職だから残業手当は無し」
という扱いがなされています。
形式上は管理職（＝管理監督者）
実態は従業員ということになります。

こういう人達を
「名ばかり管理職」といいます。

労働基準監督署の調査が入れば
「名ばかり管理職」に対して
残業代の支払いを過去2年間遡って命じられます。

■この問題に関しては4年ほど前に大きな話題となった
日本マクドナルドに関する東京地裁の判決があります。
この判決では「店長」は名ばかり管理職とみなされ
残業代の支払いを命じられました。・・その後会社が控訴し
和解がなされました。（ここでは詳しくは書きませんが・・）

■では「名ばかり管理職」と「管理職」を見分ける基準は？
見分ける基準についてはマクドナルドの裁判をきっかけにして
厚生労働省から通達が出されました。

　＜店舗における管理者の範囲に適正化について（平成２０年９月）＞
　この中で「次の人は管理監督者ではありません」と記載されています。
　〇　アルバイト、パート等の採用について責任と権限がない
　〇　アルバイト、パート等の解雇について関与せず
　〇　部下の人事考課をしない
　〇　シフト等を組むことができない
　〇　遅刻早退で給料が減額される
　〇　給料を時間換算したら最低賃金に満たない

　などと判断要素を表示しました。

■　労働基準監督署の調査が入った場合は
上記の通達を基準に調べられます。
店長、課長の権限や給料の金額などは
特によく調べられる項目です。

■　だから、
○　営業マンは全員が管理監督者
○　一定の肩書き以上は管理監督者
という会社は、この基準を踏まえて
残業代の支払いを考えていかなければなりません。

■　残業代は月単位で見れば少なくても
　　2年間遡り、その対象者が多いと高額になります。
　　未払い残業代が払えなくて
倒産という自体になるかも知れません。

早めの対策をお勧めします。

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