経営計画と人事評価制度の関係

経営目標を評価制度と連動させる視点

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人事評価制度の策定において最も重要なポイントの一つとして、「会社の課題(特に
人材課題)が反映された制度を策定すること」があります。

それでは、どのようにして会社の課題を正しく認識すればよいのでしょうか。

売上が低迷しているから売上アップが課題だとか、社員がミスをするからスキルアッ
プが課題だとか、管理者が部下の面倒を見ないからマネジメント能力アップが課題だ
とか・・・

このように短絡的に考えても本質的な課題を追求することはできません。
会社の課題を人事評価制度に反映させるわけですから、当然、会社の経営計画がベー
スになりますが、経営計画といっても単に売上・利益といった数値計画だけでありま
せん。

まずは、経営計画と人事評価制度の関係のご紹介の前に、経営計画とはどのようなも
のなのか、どのようなステップで整理するのか・・・少しお話させて頂きます。

まず、策定ステップを大きく分類すると4つのステップがあります。

1.現状を分析して課題を抽出すること

2.課題解決に向けた目標を設定すること

3.目標実現に向けた施策やアクションプランを整理すること

4.目標、施策、アクションプランの進捗管理を行うための管理体制を整備すること


現状分析とは、過去の実績から課題を抽出するということではなく、将来のあるべき
姿との比較で現状分析をしていくということで、とても大切な視点です。

もちろん、世の中の環境や業界・ライバルの動向、今までの実績としてのB/S・
P/L、実行施策の妥当性などの問題点を検討することはとても重要なのですが、そ
れ以上に重要なことは、将来のあるべき姿(例えば1年後・2年後・3年後の状態)
と現在を比較することです。

そして比較するとギャップが見えます。このギャップこそが解決すべき課題であり、
目標設定の根拠になります。

ギャップ、すなわち課題が明確になると、課題解消に向けた目標の設定です。
この目標設定の視点は、

   ̄超塙渋い硫善

  ⊂ι蔑蓮粉泙爛機璽咼后Ε離Ε魯ε)の改善

  人材能力の向上

  ち反ス渋い硫善

  チ反ド土の改善

  財務体質の改善

の6つがあります。

,鉢△蓮会社の売上・利益に直結した目標です。従って「戦略目標」と位置づけら
れます。

きイ論鑪目標実現に向けた「手段目標」と位置づけられます。

そして、Δ呂海譴蕕量槁犬侶覯未箸靴堂善されるわけですから「評価目標」となり
ます。

このような6つの視点に基づいて目標設定した上で施策やアクションプランを立案し
ていけばよいのです。

ちなみに、目標設定や施策・アクションプランの展開については、具体的な着眼点や
方法がありますが、ここでは割愛します。

そして、最後の仕上げとして進捗管理体制の整備です。どのような計画でもそれを
フォロー・検証する仕組みはとても重要です。

以上、要点のみに絞って経営計画の策定ステップをご紹介させて頂きました。

それでは、経営計画の策定の意義・必要性とは何でしょうか。それは・・・

■企業が存続し発展していくためには経営環境の時々の変化にうまく対応していくこ
 とが必要不可欠であり、これらの環境変化に適応していくためには、正しい経営戦
 略を策定し、実践していくことが重要・・・

ということです。

また、経営計画の策定段階において、様々な制約条件が出てくる場合が多々あります
が、「無理だ、できない」といってあきらめるのではなく、これらの制約条件をいか
に排除していくかをきちんと考えることがとても大切です。


ある会社の事例です。実際には、経営計画の策定と人事評価制度との関係を詳細に整
理されていますが、紙面の関係でシンプルに要約したものをご紹介します。


≪会社の現状と今後の方針・目標≫

社員規模100名の電機メーカーで業績はジリ貧傾向。限られた分野に特化しており、
開発テーマも減少気味。約3年前から新規分野への進出を図っているものの、現在の
新規事業分野での売上比率は全体の10%弱。市場変化や顧客獲得といった面でのリ
スクを軽減するためにも、これからの3年で「70%(既存分野):30%(新規分
野)」にしたい。


≪人材の現状≫

・まじめで素直、ルーチン業務はそつなく遂行(大きなミスもなし)、受動的な仕事
 の仕方、新しいことにチャレンジしない、業界や競合会社などの情報に無頓着、改
 善意識薄い、管理職に就くことを嫌がる傾向・・・


≪人事の制度・構造上の現状≫〜抜粋

・管理職任用の基準は特にないものの勤続年数と実業務の習熟度で判断、役職に就く
 と年収ダウン(残業の関係)、人事制度は非公開、社内教育制度は特になし(必要
 に応じて外部専門機関のセミナー・講習会に参加)、賃金水準は管理職層・一般層
 共に県内業界水準をかなり下回っているものの近隣地区同規模企業並み。


≪期待する人材≫〜抜粋

・挑戦意欲、特に「受動的な仕事の進め方を能動的に」


≪認識された人材育成方針と課題解決の方向性≫

・新規分野進出を確かなものとするためには、積極的にチャレンジしていく人材を育
 成することが急務。人材育成のための動機付けの根拠は「やりがい」。顧客に喜ん
 でもらうことが「やりがい」につながり結果として会社の利益につながる。押し付
 けの教育や制度ではなくやりがいを自らが創出できるような環境を会社として提供
 することが必要。

・わが社の社員や部門は、現状分野の業務を通じてそれなりのノウハウは蓄積してい
 るものの、受身的仕事のやり方が習慣化しており、新規分野進出のネックとなって
 いる。顧客と共に考え、顧客に自ら積極的に提案する能力を向上させる必要がある。

・また、自己の能力向上において受身的な姿勢から自ら制度を活用し自分の能力アッ
 プさせるといった能動的な姿勢へと脱却する必要がある。これらの改善策のひとつ
 として人事評価制度の抜本的な改革が必要と考える。

・現状の評価制度は、評価結果・理由は本人へは非公開であり、評価においても一方
 的に行っており、考課者と被考課者の意識・認識すべき課題等にギャップが発生し
 ている。制度内容や評価のプロセスを面談を通じて確実にフィードバックし、能動
 的に自らが改善に取り組む意識と行動を身に付けると共に、上司の積極的な部下サ
 ポートを実現する必要がある。


以上ですが、読者の皆さんはこの事例から、どのような人事評価制度をイメージされ
るでしょうか。

事例はかなり要約したものなのでイメージしずらいと思いますが、例えば、人事評価
項目の選定に限っていいますと、おそらく、

・「挑戦意欲、ポジティブ思考、達成行動、自己信頼(自信)、情報収集、業務改善、
 部下指導・・・」などは候補となる評価項目でしょう。但し、これらの評価項目を
 どのように定義づけるか、どのような基準を設定するかは、自社の課題との連動で
 オリジナリティを発揮する必要があります。また、階層や部門によっても違ってき
 ます。

・また、管理職としての位置づけや意義を明確にした上で、評価次第では相当の年収
 を獲得できる仕組みを整備することも必要でしょう。もちろん、会社の利益を考慮
 した人件費の総額管理を確実にやることが前提です。

・更に、経営計画をベースに能力開発の方向性やレベルの明示と共有化を行うことも
 必要でしょうし、また、何よりも大切なことはモチベーションアップの方法や仕組
 みでしょう。どんなに素晴らしい経営計画や人事表制度を策定したとしても、社員
 がその気にならないと意味がありません。会社(社長・役員)と社員の信頼関係は
 もとより、賃金、仕事、期待、評価、環境、風土、対人関係、コミュニケーション、
 健康、自己実現・・・などの観点から人事制度の枠を超えた会社のサポートの仕組
 みが必要です。


このように、経営計画と人事制度をリンクさせることで、経営計画の実践と人事評価
制度の運用が相乗効果を発揮し、より確実な目標の実現や人材育成を促進することが
できるのです。


※経営計画を策定されていない会社様へ

「当社は経営計画を策定していないから、きちんとした人事評価制度を策定すること
はできない」・・・なんて短絡的に考えないで下さい。

経営計画「書」はなくても、社長として、会社として、「自社をどのように成長させ
たいのか、どのような課題があるのか、社員はどのような人材に育ってほしいのか」
などなど、いろいろと問題意識や目標はお持ちのはずです。
これらの問題意識や目標を人事評価制度の中に組み込んでいけばよいのです。

また、人事評価制度を検討していく過程において、人事制度の枠を超えた様々なテー
マや課題が顕在化されるはずです。
これらのテーマ・課題の重要性を鑑みた上で、経営計画を具体的にイメージすること
も可能です。

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【代表者プロフィール】 ◆山藤茂。経営コンサルタント。中小企業診断士。 ◆「人事制度と儲かる仕組み」実践会・「タイムマネジメント」研究会を主宰。 ◆?日立製作所(人事勤労部門)に14年在籍しH3年に独立。 ◆近年は、「人材育成と儲か …

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