3つの改正点
1.有期労働契約者の「雇止め法理(判例法理)」の法定化
最高裁判例で確立した雇止め法理が明文化されました。
2.有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換
一定条件を満たした場合に、有期労働契約が無期労働契約に転換される仕組みが創設されます。
3.期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止
有期契約労働者の労働条件が、期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合、その相違は不合理と認められるものであってはならないとされます。
改正法は、1については平成24年8月10日から既に施行され、2及び3については平成25年4月1日から施行されます。
以下、改正点の詳細と実務上のポイントについて解説します。
有期労働契約者の「雇止め法理(判例法理)」の法定化
改正労働契約法第18条(H25.4.1からは第19条) 有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。 一 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。 二 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。 |
【解説】
有期労働契約が以下のいずれかのパターンに該当する場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない雇止めは無効とされます。
�� 第1号:実質無期パターン【参考判例:東芝柳町工場事件・最高裁S49.7.22】
有期労働契約が反復更新されることにより、雇止めすることが社会通念上解雇と同視できると認められる場合
�� 第2号:期待権保護パターン【参考判例:日立メディコ事件・最高裁S61.12.4】
労働者が有期労働契約の更新を期待することに合理的な理由があると認められる場合
【ポイント】
上記改正法は最高裁で確立した判例法理を明文化したものであるため、新たな対応は必要ないと感じるかもしれません。しかしながら、雇止めに関する実務においては、契約更新に関する規定や手続が不十分であったためにトラブルに発展することは少なくありません。したがって、この機会に、改めて労働契約の更新に関する規定や手続を再確認し、必要に応じて見直しを行なっておくべきです。
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