社長自身を評価する人事評価は必要か?

社長が自分で自分を評価する仕組みは必要か?

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社長に人事評価は必要か?

 

社長に人事評価は必要でしょうか?・・・
もし必要だとしたら、どのような評価内容なのでしょうか?。
いや、その前に、誰が作成するのでしょうか?。そして、誰が評価するのでし
ょうか?。

結論から言いますと、社長に人事評価は必要ありません。
それでは、なぜ「必要ない」のでしょうか・・・。

それは社長だからです。会社の最高経営責任者であり、実質的な最高意思決定
権者だからです。
少なくとも社内には社長を評価する立場の人間はおりません。
また、自分の部下に自分を評価する制度を作らせたり、評価させたりすること
自体もナンセンスです。

しかし、現実的には、社長の仕事ぶりは社員以上にシビアに評価されます。
赤字を出したり、トラブルを起こせば、それが深刻であればあるほどシビアに
評価されます。
株主総会で糾弾され辞任に追い込まれたり、法的責任を追及されたり・・・と
いうこともあり得ます。

未上場のオーナー会社で株主もほとんどが身内の場合は、株主総会での糾弾は
ほとんどないのでしょうが、やはり社長の経営判断ミスや環境の変化は会社の
存続に大きく影響するでしょうし、様々なリスクを背負っています。
会社借入の連帯保証をしていれば、それだけで、個人的リスクも大変大きなも
のがあります。

ですから、言ってみれば社長の評価は、社会全体が行うということなのです。
そして、その評価結果は、良きにつけ悪しきにつけ、社員・取引先・顧客・株
主・地域・・・など、利害関係者の全てを巻き込んでしまうということです。

社内制度としての社長の人事評価はあり得ませんが、常に外部からの厳しい評
価の目があるということです。

 

社長は自分で自分の評価を客観的に行うことができる仕組みが必要

 

しかし、外部から厳しい評価の目があったとしても、それだけで本当に良いの
でしょうか。

社長の仕事ぶりを評価する人事評価制度は必要ありませんが、社長自身が自分
で自分の仕事ぶりを評価できる仕組みというものは必要なのではないでしょう
か。
社長の仕事ぶりは結果として会社の業績に直結しますので、社員以上に評価の
仕組みは大変重要です。

ところで、社長にとって一番重要な使命は「会社を存続させる」ことです。
そして、存続させるためには、売上・利益の確保が必要です。

と言っても、社長自らが一年中営業マンとして、また商品・サービス開発者と
して現場で動き回るわけにはいきません。
もっと社長として本来やらなければならないことがあります。

もちろん、会社規模や様々な事情によって、社長自身が営業活動や商品・サー
ビス開発を手掛けることが、社長としての本来業務以上に重要な場合も多くあ
ります。

しかし、だからといって、社長としての本来業務を疎かにするわけにはいきま
せん。
社長の本来業務とは、社員の仕事ぶりを会社の業績に変換できる仕組み作りで
す。

この意味から言うと、正しい経営戦略を描くこと、その戦略を遂行するための
経営計画を策定すること、そして、社員一人ひとりの心をつかみ彼らの力を最
大限に発揮させて計画の遂行に向かわせしめることが社長本来の仕事です。

そして、この社長本来の仕事の生産性を、より客観的に社長自身が評価できる
仕組みが必要です。

 

社長の仕事ぶり(生産性)を評価する仕組みとはどのようなものなのか?

 

それでは社長が自分で自分の仕事ぶり(生産性)を評価できる仕組みとは、ど
のようなものなのでしょうか。

冒頭で、社長の人事評価は必要ないと申しましたが、あえて社長の人事評価を
考えてみると・・・

\果の実現度としての評価要素

これは、ずばり売上や利益などに代表される経営数値です。
通期並びに月次の売上高・営業利益額(率)が代表的ですが、これらと深い因
果関係のある様々な業績指標や生産性指標なども該当するでしょう。
社員の仕事ぶりを会社の業績に変換することが社長の本来業務ですから、その
結果としての経営数値が社長の評価に直結することは当然です。

業務遂行度(プロセス)としての評価要素

これは例えば、理念の浸透、経営戦略の立案(経営計画の立案)、人材育成、
リーダーシップ・・・決断力、先見力、リスク管理力など、様々な項目が該当
するでしょう。
項目そのものは社員のそれと共通する部分もありますが、社長といった立場で
の項目なのでレベルは当然違ってきます。

G塾呂侶屡度としての評価要素

この観点からの評価は特に必要ないでしょう。社長としてのスキルアップは重
要ですが、評価対象にすべきではないと思います。
但し、あえて言うならば、新たなビジネスモデルの創造、事業展開の方向性の
明示、会社や組織のあるべき姿の明示などのようなコンセプチュアルなスキル
が該当しますが、これらは△龍般蛙觜堙戮箸靴討旅猝椶箸靴胴佑┐討いい里
もしれません。


以上のようなイメージです。

繰り返しになりますが、社長には人事評価は必要ありません。
しかし、社長自身が自分で自分の仕事の生産性を自己評価できる仕組みは必要
です。

例えば「自社にとって最適な経営戦略を立案したかどうか」・・・これは、社
員の評価ならば上司が判断しますが、社長の場合は評価する人がおりません。

だからなおさら、自分で自分を評価できるような仕組みが必要であり、自分で
評価するからには、そこには客観性がなくてはなりません。
自己満足の世界ではダメなのです。

それでは、どのようにすれば客観性を持たせることができるでしょうか。

ひとつは、上記の,里茲Δ雰弍朕値による自己評価の仕組みです。
これは大いに客観性があります。

そして、問題なのは△龍般蛙觜圈淵廛蹈札后砲良床舛竜甸兩です。
経営戦略や人材育成・・・などといった項目は、どんなに緻密に基準を整理し
ても求める要素の全てを網羅できるわけではありませんし、評価の際にはどう
しても主観というか、社長自身の固有の「思い」というものが入ってしまいま
す。

そこで、これはひとつのご提案なのですが、経営戦略や人材育成などといった
項目ではなく、全く発想を変えて

  ・「どのような仕事にどれだけ時間を投入したか」

といった視点から社長自身の評価を行うという仕組みはどうでしょうか。

理由は・・・

社長は毎日大変忙しく仕事をしていますが、忙しいのはある意味仕方がありま
せん。
しかし、自分のところに集まってくる仕事を選別もせずに、片っ端から片付け
ようとしたら大変です。身体がいくつあっても足りません。
これでは、社長として、本当に大切な仕事に取り組むことはできません。

社長は、自分が率いる組織の効果性や効率性を高めるために、自分がどのよう
な役割を果たすべきかを常に考えて行動しなければならないのです。
つまらない仕事に忙殺されているような社長が率いる組織が、効果的であった
り効率的であったりするはずがありません。

ですから、社長として会社の業績に影響するような価値ある仕事にどれだけ自
分の時間を投入したかといった切り口で評価しましょう・・・、ということで
す。

この価値ある仕事にどれだけ自分の時間を投入したかを図る一番簡単な方法は、
「緊急性と重要性」の二つの視点で自分の仕事を振り返る方法です。

もちろん、これで完全に主観が排除されるわけではありませんが、かなり客観
性が保てるのではないでしょうか。

例えば、自分(社長)の1ヶ月間で遂行した仕事を振り返って(あるいは、向
こう1ヶ月間の予定業務を)9象限のマトリクスに整理します。
縦軸は「緊急性」、横軸は「重要性」といった9つのマトリクスです。

緊急性とは、この業務を遂行することが業績にどのくらい早く反映されるかを
意味します。
一番緊急性が高い業務は、3〜6ヶ月程度で業績に影響を及ぼし、その次は
6〜12ヶ月、それよりもゆっくりと業績に影響を及ぼすものは、あまり緊急
性がないと考えます。

また重要性については、会社の本質的な問題に関わるかどうか、あるいは全社
的な問題であるかといった重要度で3段階に分けます。
例えば、重要性が低いということは、会社の中で部分的な問題であったり、体
質的というよりも現象的な問題であったりすることを指します。
この重要性の判断は、社長自身が独自に行い、3段階に割り振っていけばよい
と思います。

このように緊急性3段階、重要性3段階の9つの象限に仕事を割り振るのです。

ちなみに、例えば、緊急性が高くても重要性が低い業務は忙しくなれば最初に
やめるべき業務、あるいは忙しくなくてもあまり引き受けない方がよい業務で
す。
一般に社長は、社員やお客様から頼まれたりすると「善意や義理」でできるだ
け引き受けてあげようと考えがちです。
しかし、このようなマトリクスを意識することで「これは引き受けるべきでは
ない」と勇気を持って断ることも可能です。

もちろん、現実的には杓子定規に断るわけにはいかない場合もありますが、緊
急性と重要性を強く意識することで確実に自分の仕事の生産性を高めることが
可能です。

いずれにしても、このようなマトリクス分析を毎月行うことで、自己評価・反
省・改善が可能です。
そして、社長自身が自分の仕事の生産性を意識し高めていくことが可能です。

社長が自分自身の仕事ぶり(生産性)を評価するための手法として活用されて
みてはいかがでしょうか。


≪補足≫

社長が自分で自分の仕事ぶりを評価する仕組みとして「どのような仕事にどれ
だけ自分の時間を投入したか」といった視点をご紹介しました。

これは、言ってみれば、社長としての時間の使い方を評価するということなの
ですが、社長としての時間の正しい使い方が、会社の業績とどのような因果関
係があるかといった問題は残ります。

しかし、6ヶ月〜1年程度に亘ってデータを採取することで、業績との因果関
係の把握は十分に可能です。

ちなみに、業績と連動する社長の仕事ぶりの評価には、実はもうひとつの視点
があります。
それは、仕事の品質です。いくら価値ある仕事に時間を投入しても、その内容
がいい加減であったり不十分であれば、ほとんど意味がありません。

このテーマは、別の機会にご紹介したいと思います。

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【代表者プロフィール】 ◆山藤茂。経営コンサルタント。中小企業診断士。 ◆「人事制度と儲かる仕組み」実践会・「タイムマネジメント」研究会を主宰。 ◆?日立製作所(人事勤労部門)に14年在籍しH3年に独立。 ◆近年は、「人材育成と儲か …

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