【採用応募者の数を追求しない応募母集団形成 学生数を増やすことをやめる】
Q:この不況でも、中小企業は新卒採用に困っています。
大企業に比べて応募者が少なく、内定辞退率も高い。
限られた予算の中で、どうやって新卒採用を効果的に行えばいいのでしょうか?
松村:まずは母集団形成(応募学生数を増やすこと、(以下、母集団形成)をやめることです。
たとえば中小企業が5名の学生を採用する場合、今までは数百名、多い会社では1000名以上の学生から応募を集めようとしていました。
それだけ応募があれば、会社説明会にも100名以上の学生が集まります。
すると、社長は勘違いしてしまうんです。
ウチみたいな会社にこんなに集まってくれた。採用は順調に進んでいると。
しかし、その認識が大間違い。
中小企業の場合、いくら学生数を集めても志望度の高い学生はわずかです。
実際、選考辞退や内定辞退が続出します。
それゆえ、母集団形成よりも“自社が採用したい学生”をピンポイントで集めた方が効率的なんです。
極端に言えば、志望度が高い学生を5名集めれば、5名採用できるわけです。
つまり“「自社が採用したい学生”」はどのような人物なのかを徹底的に明確化し、それに合った採用活動を行うべきです。
<新卒採用を成功させるための3ステップ>
�� 今後必要とする社員の人物像を明確化する
単に「新卒を○名採用したい」ではダメ。「経営者目線で一緒に働ける人材」など、自社に必要な人物像を明確にする。
Q:具体的にどのようにアプローチすればいいのですか。
松村:大きく分けて3つのステップがあります。
1つ目のステップは、採用ターゲットを明確化することです。
そのためには「どんな学生を採用したいか」ではなく、「どんな新入社員が自社に必要か」を明確にすることが重要です。
たとえば、当社では5年前「当社でも経営者目線で視点を持って、一緒に働ける新入社員」が必要だと考えました。
必要とする社員像が明確になると、自ずと採用ターゲットも明確になります。
当社では、将来の独立を目指す学生や、いずれは家業を継ぐ学生を採用ターゲットとしました。
その結果、当社が求める人材像に合致する新卒2名を採用できました。
実際、2名とも会社経営者の長男でした。
このように、必要な社員像を明確にすることで採用ターゲットも決まり、採用活動全体の方向性を決めることができるのです。
�� 今後の方向性を交えて、自社の実態を伝える
就職サイトや会社説明会で自社の実態をそのまま伝える。社員数が少ない場合、「幹部社員募集」と前向きな表現を使う。
Q:2つ目のステップを教えてください。
松村:就職サイトや会社説明会で、自社の実態と今後の方向性を伝えることです。たしかに大企業と比較すると、中小企業は不利な要素が多い。
しかし、少し視点を変えれば、マイナス要素をプラス要素に変えることもできます。
たとえば、当社は5年前まで代表の自宅がオフィスでした。
そのマイナス要素を「新しいオフィスを一緒に決められます」とプラス要素として伝えました。
また社員数も当時は代表ひとりでしたが、それを「先輩社員はひとりもいません。
幹部社員募集」と伝えました。
このように今後の方向性を明示すれば、学生の応募総数は減るかもしれませんが、採用ターゲットとなる学生からの応募数は逆に増えるんです。
�� 初期段階から大手企業とは違うモノサシで選考を行う
自社の採用ターゲットに合わせた 一次選考を行う。たとえば、学生の考え方が分かるような問題を作文形式で出題する。
Q:最後の3つ目のステップは何ですか。
松村:選考の方法を変えることです。
一般的な学力テストや適性テストは行いません。
なぜなら大手企業と同じモノサシでは、採用ターゲットとなる学生を見分けられないからです。
学力テストや適性テストで優秀な成績を残すのは、地頭のいい学生やテスト対策をしてきた学生。
そんな学生が本当に自社に合うかどうかは分かりません。
たとえば、当社では一次選考で作文を課します。
学生の考え方やモノの見方が分かるような問題を作文形式で出題すれば、初期段階から自社の採用ターゲットかどうかを見分けることができます。
学力テストや適性テストに比べますと労力はかかりますが、そもそも応募数を増やす採用活動をしなければ、十分に対応できます。
このように大手企業と同じモノサシではなく、自社独自のモノサシで選考を行うことが重要なのです。
ビジネスコラム提供者情報
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- 株式会社シンミドウ
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