社員の「キャリアアップ・サポートシステム」としての人事評価制度

社員のキャリア形成プロセスを人事評価制度に組み込む

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社員の「キャリアアップ・サポートシステム」としての人事評価制度

1.キャリアをたな卸しする二つの意味合い

キャリアとは、一言で言うと「職業・技能上の経験・経歴」のことです。

例えば、「マネージャーという立場で事務機の新規顧客開拓営業を行い、年間30社
の法人顧客を開拓した」ということであれば、それそのものがキャリアと言えます。

しかし、その結果として、「どのような知識や能力を、どの程度形成したのか」をで
きるだけ客観的に知ることも大切です。

何故、自分のキャリアを知ることが大切なのかと言いますと、これには二つの視点が
あります。

ひとつは、自分のキャリアを知ることで、強み・弱みを知ることができるということ
です。

強み・弱みを知れば、強みの徹底強化や弱みの改善といった目標が明確になります。

ふたつ目は、部下や後輩の好ましいキャリア形成をサポートできるということです。

目標売上・利益の達成をサポートすることはとても大切なことですが、そのプロセス
で部下や後輩のキャリアアップを支援するといった人材育成の視点もとても大切です。

キャリアの意味やキャリア分析の方法を理解していれば、おそらく好ましい形で人材
育成を行うことができるのではないでしょうか。


2.何故、未経験の業務に不安を感じるのか

ところで、全く経験のない未知なる業務を任された場合、多くの方は不安を感じられ
ると思います。

しかも、会社にとって重要な業務や困難な業務であればあるほど、希望ややる気と共
に不安を覚えます。何故でしょうか。

それは、おそらく「知らない」ということからくる漠然とした不安なのだと思います。

即ち、知識がない(知らない)、自分が保有している能力を認識できない(知らない)
といったものからくる漠然とした不安なのではないでしょうか。

しかし、知識はその業界に属したり、その業務を経験することで知り得るものです。
初めての業界・業務であれば知らないのが当然です。

でも、知らなければ学べばよいのです。ある意味、時間が解決してくれます。

また、能力は・・・、例えば「問題解決能力」はどのような業界・業務にも必要です。
いくら知識が豊富でも、問題解決能力に問題があると良い仕事はできません。

だからこそ、今の自分の能力をできるだけ客観的に知ることが大切なのです。

まずは己を知ることです。己を知って相手を知れば百戦危うからずです。


3.そもそもキャリアとは何か

それでは、そもそもキャリアとは一体どのようなものなのでしょうか。
冒頭で、「職業・技能上の経験・経歴」と述べましたが、これでは不十分です。

人はその時点で保有している能力をベースに、仕事を知識として学び技能・技術を習
得し、成果を出しています。

そして、この「能力→知識・技能・技術→成果」といったサイクルを回すことで、い
わゆる「キャリア」というものを形成しているのです。

もっと言うならば、仕事を通じて「情報→知識→スキル→ノウハウ→知恵」にまで進
化させてこそ、真に本当のキャリアが形成されるものなのです。

ずいぶん前から成果主義とか実力主義といったことが声高に叫ばれていますが、成果
とは結果です。
結果というものはそれ以上でもそれ以下でもありません。

誤解を恐れずに言いますと「結果のみ」から得られる教訓はあまりありません。
むしろ、プロセスが大切です。

どのような仕事を、どのような環境や立場で、どのような方法で遂行したのか、そし
て、そのプロセスでどのような知識を得て、どのような能力(能力・技術・技能)を
習得し、ノウハウや知恵にまで進化させたのか・・・、これこそがとても大切なこと
であり、キャリアなのです。

自分が意識するしないに係わらず、人はみな様々な経験を通じて成長しています。
(中にはほとんど成長しない人もいますので、変化していると言った方が正しいかも
しれませんが・・・)

このいろんな学習や経験を通じて、一体皆さんはどのようなキャリアを形成されたの
か、そして、それは社内だけに通用するキャリアなのか広く世間に通用するキャリア
なのか・・・。

もちろん点数を付けられるものではありませんが、自分自身にどのようなキャリアが
形成されているのかを知るということは、とても大切なことです。

例えば、営業活動のイロハを学ばれたり、人を動かす術を学ばれたり、契約を頂く難
しさを経験されたり、人前でお話する時の緊張感を体験されたり、トラブルやクレー
ム対応の大変さを経験されたり、事業計画の作り方や目標設定の方法を学ばれたり・
・・と、いろんな貴重な体験をされていると思います。

これらはすべて皆さんのキャリアアップに必ずつながっているはずです。

特に、困難な仕事に主体的に向き合って悪戦苦闘の末に成果を勝ち取られた方は、そ
の過程でいろんなキャリアを形成されているはずです。

能力を言葉として表現すると、「立案力、企画力、行動力、実行力、交渉力、説得力、
問題発見力、分析力、表現力、文章力、改善力、営業力、コミュニケーション力、管
理統率力、観察力、洞察力、先見力、理解力、忍耐力・・・」などなど、いろんな能
力があります。

更にこのような言葉はないのかもしれませんが、「責任力、情熱力、協調力、積極力、
人格力・・・」。

一般的には、責任感、情熱、協調性、積極性、人格といいますが、これらにも強さや
深みの度合いがありますのであえて“力”をつけました。

いずれにしても皆さんがこれまでに得られた能力・知識をご自分の今までの担当業務
を振り返ることによって、「一体どのような能力・知識を形成したのか」、そして、
それは「どの程度形成しているのか〜(単なる知識なのか、ノウハウなのか、知恵な
のか)」について整理されてみてはいかがでしょうか。


≪経営者の皆さんへ≫

人事評価制度で評価項目を検討する場合、会社と社員の双方の改善課題を評価項目と
して設定することが大切ですが、この評価項目の具体的な「基準」の整理に苦労され
ているのではないでしょうか。

キャリアの本当の意味をご理解頂き、キャリア形成プロセスそのものを評価基準とし
て展開することも一考です(とても重要な視点です)。

社員の「キャリアアップ・サポートシステム」としての人事評価制度を作り、運用す
ることで、人材育成に大きく貢献するはずです。

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【代表者プロフィール】 ◆山藤茂。経営コンサルタント。中小企業診断士。 ◆「人事制度と儲かる仕組み」実践会・「タイムマネジメント」研究会を主宰。 ◆?日立製作所(人事勤労部門)に14年在籍しH3年に独立。 ◆近年は、「人材育成と儲か …

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