【企業競争力を徹底的に高める
人材育成の仕組みと業績向上の仕組みを組み込んだ人事評価制度】
今回のコラムは全6回シリーズの3回目です。
・・・
第1回目:人事評価制度と企業競争力の関係
第2回目:人事評価制度の3つの段階の価値
第3回目:人材育成の仕組み事例(第2段階の価値の獲得を目指して)
第4回目:業績向上の仕組み事例(第3段階の価値の獲得を目指して)
第5回目:スキルアップの状態を可視化する
第6回目:人事評価制度から何が見えるか、何を見るべきか
・・・
自社オリジナルな人事評価制度を策定しルール通りに運用しても、それだけで人材育成や
業績向上が実現できるほど甘くはありません。そこには必ず具体的な仕組みが必要です。
今号では、「部下指導力」評価項目を事例に、人事評価制度と連動させた人材育成の仕組み
(第2段階の価値:前号を参照)をご紹介致します。
部下指導力を評価基準としてきちんと整理すると、おそらくより正しく評価はできるでし
ょうが、それだけで部下指導“力”は高ません。
評価の目的は「正しく評価して処遇する」ことですが、本当の狙いは人材育成、すなわち
部下指導スキルそのものの向上です。
評価項目が本当にスキル向上につながる仕組みを、評価制度の枠を越えて考え実践するこ
とが必要です。
部下指導力は管理職用の評価項目ですが、その問題は、
� 嵒�下指導のための時間がとれない」
�◆峇浜�職自身の部下指導のスキルが足らない」
の二点で、以下のような切り口で対処します。
�,蓮屮好吋献紂璽螢鵐圧蚕僂慮�上」で対処
�△蓮嵜佑亡悗垢襭兇弔量簑衄�生源の整理」と「業務分解力の向上」で対処
●部下指導の時間が足らない問題を解消〜「スケジューリング技術の向上」
図1のマトリクスは、部下の能力を「納期管理力」と「実務処理力」の二つの観点から表
したものです。
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そして、上司のフォローを「支援頻度」と「支援時間」の二つの観点から表しています。
まずは「納期管理力」と「実務処理力」で、部下一人ひとりの能力を把握します。
例えば、3象限は「スキルは申し分ないが仕事の納期はほとんど守れない(≒仕事のアウ
トプットは期待通りだが時間にルーズ)」、7象限は「仕事の納期はきちんと守るがスキ
ルが低い(≒納期通りにアウトプットは出すが不具合や指摘事項が多い)」というよう
に、9つの象限に部下をプロットします。
そして、もう一組の観点の「支援頻度」と「支援時間」に対応付けます。
例えば、3象限の社員に対しては、「時間にルーズだから毎日のようにフォローするが、
仕事はできるので一回当たりの時間はほんの数分程度で良い」。
また7象限の社員は、「納期はきちんと守るので二週間に一回程度のフォロー頻度で十分
だが、スキル不足なので一回あたりのフォロー時間を十分確保し丁寧にフォローする」な
どと、いろいろとパターンといったものが見えてきます。
すなわち、部下の能力(納期と実務処理)を把握し、指導頻度と時間をあらかじめ計画し
自分のスケジュールに落とし込むことで指導のための時間が確保できるのです。
「忙しくて時間が取れない」のは管理者の本音なのでしょうが、部下を指導するための時
間が取れないといった問題は、実は管理者自身のスケジューリング技術に問題がある場合
が圧倒的に多いのです。
●部下指導スキル不足の問題を解消(1)〜「人に関する6つの問題発生源の整理」
次にスキルの問題です。これは二つの方法で対処します。
まずは、人に関する6つの問題発生源の整理です。すなわち、問題発生源毎に部下の仕事
の現状や放置した場合のリスクを考え、その対策を考えるのです(図2の記入例を参考下
さい)。
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●部下指導スキル不足の問題を解消(2)〜「業務分解力の向上」
そして、これらの対策を考える際に使うノウハウ(手法)が「仕事のプロセス分解(≒業
務分解)」です。
6つの視点の対策として、「何をやるのか」「どのような状態を実現したいのか」「どの
ような手順・方法・手段で行うのか」を明確にすることが業務の分解です。
どのような仕事にも目標とするゴールがあります。そして、ゴール実現に向けてどのよう
な作業をどのような手順・方法・手段でこなせばよいのかを可視化するトレーニングを徹
底的に行うのです。
業務の生産性を高めるための、とても重要な肝となるノウハウで、部下指導においても全
く同じです。
※業務分解トレーニングのためには具体的なツールが必要ですが、紙面スペースの関係で
割愛しています。何かの機会にご紹介できればと思います。
以上が部下指導力の二つの問題を解消するための対処法です。
これらを仕組みとして整備し実践することで、管理者の部下指導力どころか、マネジメン
トスキルそのものが間違いなく見違えるほど向上します。
もちろん部下指導力だけでなく、他の評価項目もその評価項目で求められるスキルそのも
のをアップさせる仕組みが必要です。
どんなに素晴らしい人事評価制度を作ってもきちんと機能させないと意味がありません。
設定した評価項目の意図を理解し、評価基準をハイレベルでクリアできる仕組み、すなわ
ち、社員の能力が最高に発揮される状態の継続こそが人材育成に必要なのです。
評価制度を策定し「これで評価するからみんな頑張れ」では決して制度は機能しませが、
現実的にはこのような会社が多いのが実態です。
人事評価制度の運用の主役は一人ひとりの社員なのですが、会社としてのサポートの仕組
みがあってこそ、制度をより価値あるものにすることができるのです。
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ビジネスコラム提供者情報
- コンサルタント:人事・組織
- サントウ経営事務所
- 千葉県柏市亀甲台町1−19−9
【代表者プロフィール】 ◆山藤茂。経営コンサルタント。中小企業診断士。 ◆「人事制度と儲かる仕組み」実践会・「タイムマネジメント」研究会を主宰。 ◆?日立製作所(人事勤労部門)に14年在籍しH3年に独立。 ◆近年は、「人材育成と儲か …
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