会社が求めたい社員の「能力要件」設定の視点について

能力要件は人材育成の方向性が凝縮されたもの

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社員の「能力要件設定」の視点について


実は、ある会社の社長様より、以下のようなご相談を頂きました。


◆当社の人事評価制度は5年前に作成し、ほとんど見直しすることなく今でも
 当時のままの内容で運用している。

◆当時30名の社員も今では70名と社員規模だけは倍増以上の拡大だが、社
 員一人当たりの付加価値は減少傾向で、社員の仕事ぶりも私が期待している
 内容とはだんだんとかけ離れて行ってしまっている。

◆来春までに、人事評価制度の見直しを行いたいと考えているが・・・(途中
 省略)・・・この見直しの中で、社員に求めたい能力といったものをきちん
 と整理したいと考えているが、どのような視点や方法で検討すれば良いのだ
 ろうか?


といった内容のご相談です。


社員に期待する能力、身につけてほしい能力を明確にし、サポートしていくこ
とはとても大切です。

現状の社員の能力・知識において、「どのような課題があるのか、どのように
改善してほしいのか」を整理することと共に、今は特に問題なくても、会社の
今後の事業展開を考えた場合、「現状の社員の能力・知識で十分に展開可能な
のか、今後社員にどのような能力・知識を身につけてほしいのか」・・・、な
どをきちんと整理する必要があります。

いわゆる「能力要件」の整理ですが、これは人材育成のよりどころとなり、人
事評価制度の評価要素の決定だけでなく、日々の指導育成(OJT)や教育訓
練システムの構築にとても大切なものです。


それでは、この「能力要件」を整理するためには、どのような視点・方法があ
るのでしょうか。


まず、能力と成果の関係を整理しますと・・・、

人は保有する「情報」をベースに、効果的・効率的な仕事を「遂行」すること
で、結果として「成果」を出します。

情報とは「知識」であり、この知識をいかに活用するかで仕事の成果に差が出
ます。

そして、活用できるかできないかは、「能力」と強い因果関係があります。

すなわち、効果的・効率的な仕事を遂行するためには、保有する「知識」と共
に、それを活用するための「能力」が必ず必要です。

ちなみに、これらの知識と能力が保有されていたとしても、やる気がないと成
果は見込めませんが、やる気は能力要件ではありません。

やる気、即ち「モチベーション」は能力とは違います。
能力は、基本的には急激に上がったり下がったりはしませんが、やる気(モチ
ベーション)は違います。
その時々の様々な事情により湧きあがったり枯渇したりするものです。

ですから、やる気(モチベーション)は能力とは違います。

但し、仕事で成果を出すために大切な要素であることは間違いありません。
必要であれば人事評価(考課)の部分で評価項目として設定するとよいでしょ
う。

少しお話が横道に逸れてしまいましたが・・・では、「能力」とは一体何なの
でしょうか。

企画力・問題発見力・判断力・分析力・指導力、折衝力、表現力・・・・・、
いろいろと沢山ありますが、シンプルに考えると、「理解力」と「実行力」に
集約されます。

但し、単純に理解力と実行力だけで社員の能力要件を決め付けることはあまり
にも雑で乱暴です。
理解力、実行力と一口でいっても、無数に意味や意図合があります。


そこで、「P(Plan)・D(Do)・S(See)」といった管理サイク
ルの視点を活用します。

どのような仕事でもテーマでも、全て「P・D・S」が基本となります。
この3つのそれぞれの視点に基づいて能力といったものを整理するのです。

例えば、

・P(計画)→計画力・立案力・企画力・表現力・・・など
・D(実行)→処理力・指導力・コミュニケーション・リーダーシップ・・・など
・S(統制)→分析力、リスク管理力・問題発見力・状況把握力・・・など

これらはほんの一部であり、もちろん、上記のように独立しているわけではあ
りません。

例えば、分析力と言っても、実際にはPDSの全てに必要となります。
ですので、当社にとって分析力の向上が必要なのは、「P・D・Sのどれか」
ということをきちんと考える必要があります。                                        
                                        

また、

・P(Plan計画)
・O(Organize組織化)
・D(Direct指示)
・C(Control統制)
・C(Coordinate調整)

と言った管理サイクルがあります。

「P・D・S」が「管理(コントロール)」であるのに対して、これはいわゆ
る「経営管理(マネジメント)」の管理サイクルです。

こちらの視点で、それどれ当社に必要な能力といったものを検討・整理される
方がより現実的です。

一度、ぜひトライアル下さい。


以上、人事評価制度の能力要件の検討視点を、仕事の管理サイクルを参考にお
話しましたが、これ以外にもいろいろとあります。

例えば、会社の成長過程、会社の事業展開の方向性、人材レベルや風土・・・
などなど、様々な視点がありますが、ご紹介した仕事の管理サイクルを参考に
した能力要件の検討・設定が一番無難だと思います。

但し、必要な能力要件というものは、その会社の個別事情によって違います。
一般的に必要だとか、専門書や同業他社のものをそのまま利用するとか、とい
った安易な考えで設定することは好ましくありません。

「当社にとって、当社の社員にとって」といった発想で、真に意味のあるもの
を検討・設定して頂きたいものです。


最後に、下記はある会社の事例の抜粋です。ご参考下さい。

PDSの「D」の部分で社員に求めたいいくつかの能力要件を整理されていま
すが、その中の「課題対応力」といった能力要件の一例です。

・上席管理者層(機法ΑΑΨ弍張螢好管理力
・上席管理者層(供法ΑΑΣ歛蠅了前認識力
・中間管理者層(機法ΑΑΣ歛蠅稜Ъ盈
・中間管理者層(供法ΑΑΣ歛蠅梁弍力
・一般層(機法ΑΑΑΑΑΩ従貘弍力
・一般層(供法ΑΑΑΑΑΣ善力
・一般層(掘法ΑΑΑΑΑα楼婢夫力

課題対応力と一口で言っても、これをどのように定義するかは、社員の職能資
格やポジションによって違ってきます。

事例会社では、役員一歩手前の上席管理者(機砲砲蓮⊆部門に限らず会社全
体の経営リスクについてもある程度きちんと管理できるように、と言った意図
で「経営リスク管理力」を設定されています。

また、一般層(掘砲蓮入社間もない若年層ですので仕事に対する「創意工夫」
を課題対応力のスタートとして位置づけて設定されています。

もちろん、それぞれの要件は定義を整理されていますが、ここでは割愛させて
頂いています。

■追伸として・・・「能力要件と人事評価(考課)の違いについて」

(殕能力と発揮能力について

能力要件は、あくまでも保有してほしい能力のレベルを段階的に整理するもの
です。
従って、能力の保有レベルを表します。

それに対して、人事評価(考課)は、責任担当業務に対する成果、プロセス、
能力などの発揮度合を評価するものです。


⊇莇への反映の考え方について

能力要件は、主として「昇格」時の判定基準となります。

それに対して、人事評価(考課)は、主として昇給・賞与の判定基準となりま
す。尚、昇格時の判定基準の一部にもなり得ます。


I床組縦蠅隆間について

能力要件は、その時点での能力の保有状態を見るものです。
期間を設定して判定するものではありません。

それに対して、人事評価(考課)は、評価対象期間があり、あくまでもその期
間内の仕事ぶりを評価項目に基づいて評価します。


ちなみにこれは、決算書(B/S、P/L)の期間設定と同じような発想があ
ります。

B/Sは「年度末の最終日の時点」での資産と負債の状態を表しているもので
す。これは、能力要件、すなわち昇格も同様です。

P/Lは、「一年間といった期間」で企業活動が利益を生んだのか、損失を生
んだのかを表しています。これは、人事評価(考課)も同様です。

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【代表者プロフィール】 ◆山藤茂。経営コンサルタント。中小企業診断士。 ◆「人事制度と儲かる仕組み」実践会・「タイムマネジメント」研究会を主宰。 ◆?日立製作所(人事勤労部門)に14年在籍しH3年に独立。 ◆近年は、「人材育成と儲か …

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