何故、人事評価制度で、人材育成と業績アップが
同時に実現できるのか?
今回は、「何故、人事評価制度の策定・運用で、人材育成と売上・利益アップ
が同時に実現できるのか」について、その根拠についてご紹介します。
■制度導入の動機は「人材育成のため」が大半。でも、実態は?・・・
多くの企業で制度導入の主たる動機は「人材育成のため」なのですが、実際に
は「処遇(昇給・昇格など)決定のための手段」として活用されているのが実
態です。
もちろん、処遇決定手段としての活用はとても意味のあるものなのですが、人
材育成や売上・利益アップと連動させないと、企業経営といった観点からはほ
とんど価値のないものになってしまいます。
多くの企業では、人材育成や売上・利益アップといった本来の目的が制度の策
定・運用時に忘れ去られてしまい、処遇決定の「エンマ帳」としての制度設計
に固執してしまう傾向があります。
また、せっかく評価の基準やルールを策定したにも関わらず、社員にその基準
やルールを公開しない、評価結果をフィードバックしない、そして更に厄介な
問題は、最終評価の段階でトップの主観や恣意的な判断が介入してしまったり
と、人材育成どころか、モチベーションダウンにつながってしまうような課題
を孕んだ企業も実に多くあります。
弊社ではこれまで100社近い企業の人事制度策定サポートを行ってまいりま
したが、制度策定前の事前診断で、上記のような問題を抱えている企業が70
%近くも占めていました。これが多くの中小企業の実態なのです。
■人材育成と売上・利益アップが同時に実現できる人事制度とは?
結論から言いますと、「人事評価制度の三つの段階の価値」を獲得することで
人材育成と売上・利益アップが実現します。即ち、
�‖莪戝奮� 〜 制度としての価値
��第二段階 〜 体質改善手段としての価値
�B荵庵奮� 〜 付加価値獲得手段としての価値
の三つの段階の価値です。
人事評価制度の策定と運用を通じて、この三つの段階を確実に、且つ、ハイ
スピードに獲得することこそがとても重要なのです。
ただ、第一段階の「制度としての価値」すら実現できていない企業がとても
多いのが現実なのですが・・・。
ちなみに、第一段階の「制度としての価値」すら実現できていない企業とは、
・制度そのものがない。あってもそれが全く使われていない。
・制度があること自体を社員が知らない。
・自社の課題が反映されていない一般的な制度。
・社員の仕事ぶりの粗さがし(減点主義)。
・制度を無視した評価、基準・ルールを無視した評価。
・賃金に反映されない。・・・などなど
でしょうか・・・。
� 崟�度としての価値」とは・・・
基準やルールに則って正しく評価し処遇に反映させてこそ、本質的な平等で
あると言えます。「みんな仲良く昇給しましょう」では本質的な平等とはい
えません。
ですから、自社の課題を正しく認識し、その課題改善に向けた評価項目を設
定した上で、正しく評価し、昇給やその他の処遇に反映させてこそ、「制度
としての価値」が生まれます。
但し、現実的にはこれだけでは人材育成も業績向上もほとんど望めません。
もちろん、優秀で前向きな社員は、評価制度を元に自力で自分の能力向上や
目標達成に努めると思いますが、残念なことに大部分の社員はそうではあり
ません。
制度としての価値だけでは、組織としての人材育成や業績向上はほとんど期
待できないということなのです。
�◆崑亮漸�善手段としての価値」とは・・・
体質改善と一口に言っても会社によっていろんな課題がありますので、ここ
では「人材育成」と捉えてご説明します。
上記の「制度としての価値」が存在することが前提なのですが、評価制度
(≒評価項目)の内容や基準から、社員一人ひとりが自分の課題と改善目標
が設定でき、加えて、上司や会社からのフォローの仕組みが機能することに
より「体質改善(人材育成)手段としての価値」が生まれます。
例えば仮に、「問題解決力」といった評価項目があったとします。
この問題解決力の向上は当社社員の重要課題であり、何としてもスキルアッ
プを図りたい能力(→「制度としての価値」の中で明示すべきもの)である
ならば、各人が「自分の問題解決力が今どの程度なのか、会社として求めて
いる問題解決力のレベルはどの程度なのか・・・」などを、きちんと自覚で
きることが必要です。
また、その具体的な改善方法や進め方が不明だと、レベルアップは望めませ
ん。
ですから、その改善方法や進め方を、本人と会社(上司)が一体となって考
え実行できる「仕組み」を制度運用の補完的システムとして整備する必要が
あります。
このような仕組みが整備されて初めて「体質改善(人材育成)手段としての
価値」が生まれるのです。
すなわち、人材育成が現実として実現できるのです。
「みんな頑張って問題解決力を高めなさい」とか「自分の担当業務の問題点
を明確にしなさい」とか・・・号令するだけでは、問題解決力の向上はなか
なか実現できません。
尚、ここでは、問題解決力を例にご説明しましたが、自社にとって重要な評
価項目には、このような仕組みを組み込むことが必要です。
��「付加価値獲得手段としての価値」とは・・・
仮に人材育成が着実に実現できたとしても、それがそのまま業績に直結する
とは限りません。
また、人材育成は会社にとっては永遠のテーマであり、「ここまでやれば
OK」といった最終ゴールはありません。
もちろん「人材育成→業績向上」といった因果関係はあるのでしょうが、即
効性は期待できません。
やはり、人材育成と業績向上を同時に実現できる仕組みが必ず必要です。
例えば、売上・利益アップに貢献する指標として、売上・利益(額・率)は
もちろんですが、他に「新規開拓、客単価アップ、コストダウン、商品開発、
不良率低減、納期短縮、・・・」などなど、いろいろとあります。
これらの拡大・向上・改善が実現できる仕組み(=すなわち、売上・利益の
アップに連動する仕組み)が人事評価制度に組み込まれ、そして実現してこ
そ「付加価値獲得手段としての価値」が生まれるのです。
人事評価制度策定検討の中で、人材課題と共に、自社の売上・利益アップに
向けた課題と改善を徹底的に掘り起こした上で評価項目の選定や基準作りを
行い、
加えて、
誰もが高評価を得られるような(=すなわち、会社の業績アップに直結する
ような)仕組みを整備することが必要なのです。
例えば仮に、「新規開拓」といった評価項目が設定され、その評価内容や基
準が明示されたとしても、それだけで新規開拓が実現できるわけではありま
せん。
新規開拓の獲得件数や獲得額・量に応じて評価基準を整理すれば、社員の実
績と比較して評価はできますが、真の目的は評価することではありません。
全社員に新規開拓ノウハウが浸透しそれが発揮できる仕組みがあって初めて、
売上・利益アップが実現できるのです。
そして、売上・利益アップの実現のプロセスで人材も育っていきます。
せっかく、自社の経営課題や人材課題と表裏一体の評価制度(≒評価項目)
を策定するのであれば、これらの制度と連動したレベルアップのための仕組
みも人事制度の一環として一緒に整備すべきだと思います。
以上が人事評価制度における「三つの段階の価値」です。
人事評価制度は単なる「制度」ではありません。
人材育成と業績向上を実現するための基幹システムです。
制度の中に、人材育成と業績向上の具体的な仕組みを盛り込むことがとても
大切です。
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- サントウ経営事務所
- 千葉県柏市亀甲台町1−19−9
【代表者プロフィール】 ◆山藤茂。経営コンサルタント。中小企業診断士。 ◆「人事制度と儲かる仕組み」実践会・「タイムマネジメント」研究会を主宰。 ◆?日立製作所(人事勤労部門)に14年在籍しH3年に独立。 ◆近年は、「人材育成と儲か …
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