人事管理とは
“人事管理”とは一体どのようなものなのでしょうか。
一言で言うと人事管理とは、人(社員)に関する様々な事柄を会社の成長発展に向け
て管理することです。
それでは、“管理”とは一体何なのでしょうか。
健康管理、安全管理、資産管理、業績管理、品質管理・・・などなど、管理といった
言葉には制御や監視といったイメージがありますが、その本質は全く違います。
管理とは、先々で発生するであろう様々な障害やトラブルを事前に取り除く活動です。
経営者あるいは管理者として、日々発生する諸問題を適切なアドバイスやサポートで
解決することはとても重要です。
しかし、それ以上に重要なことは、あるべき姿と現状のギャップを極力的確に捉えて、
そのギャップが解消しない場合の先々の影響をイメージし、先手先手で手を打つこと
なのです。これこそが、管理の本質なのです。
これは、戦略的で高度な業務であろうが、担当レベルで実施している業務であろうが、
全く同じです。
◎例えば・・・
営業マンが受注に失敗しますと上司は叱責や指導を行いますが、これは今後の受注を
より確実なものにするために行うものです。
何故、失注したのか?、例えば、相手のニーズは正しく把握したのか、提案は相手の
ニースに合致していたのか、相手の質問や懸念にきちんと対応し納得頂いたのか、関
連部門やキーパーソンへの根回しは十分だったのか・・・などなどをきちんと確認し、
問題点を整理し、今後の営業活動の改善に取り組む必要があります。
すなわち、これらは全て、今後の営業活動における障害やトラブルを事前に無くすた
めの活動なのです。
ただ単に、感情的に問い詰めたり、精神論に終始しても、あまり効果的ではありませ
ん。
普段行っている部下への叱責・指導・アドバイスも、「事前の障害除去活動」と捉え
るか捉えないかで、その効果は雲泥の差となって現れます。
◎また例えば・・・
「当社の社員の仕事ぶりに特に問題はない。ルーチン業務はそつなくこなすが、それ
以上のことはやらない。自らが考えて主体的に業務を作り出すといったことは、苦手
である。しかし、今のところ、これらが会社の売上・利益に影響することはほとんど
なく、業績も順調である。」・・・
順調な業績は未来永劫続くことはあり得ません。先々のリスクを常に考えて、業務・
制度や仕組み・人材・風土などの改善改革を行うことが重要です。
ですから、管理の本質的な価値とは、「事前の障害除去活動」にこそあるのです。
管理の本質をこのように捉えますと、人事管理の本質は、会社の成長発展を阻害する
人(社員)に関する様々な障害やトラブルを事前に除去する活動と言えます。
これらを踏まえて、人事管理の役割を整理しますと、次の4項目に集約されます。
======================================
◆会社経営において必要とされる人材を効率よく確保すること。
◆人材の能力が最大限に発揮されるように人材を適切に配置すること。
◆必要な教育・訓練を施すことによって、効果的に人材の能力向上を図ること。
◆適切な処遇によって、人材の活性化を図ること。
======================================
すなわち、人事管理の役割は人材を採用し、配置し、そして教育をして、やる気を起
こさせるような処遇を行うことにあります。
そして、これらの役割を正しく機能させることにより、人材育成・業績向上・企業体
質強化、好ましい企業風土の醸成などといった、付加価値の継続的な獲得の基盤を作
ることにあります。
この4項目を会社の戦略的意味合いと連動させて人事管理業務を整理しますと、次の
通りです。
人事管理業務とは
主要な人事管理業務を��に整理していますが、企業経営上の関連性を踏まえて整理し
ますと以下の通りです。
�〜桓匏弍沈鑪�〜目標設定と施策作りの6つの視点
(営業構造改善・商品力強化・人材能力向上)
(組織構造改善・組織風土改善・財務体質改善)
↓
��管理部門(人事・総務・経理など社内管理スタッフ部門)の方針・目標
↓
��人事管理関連業務(ルーチン業務と戦略業務)
◎採用、◎異動配置、◎教育訓練、◎評価、◎報酬管理、
◎昇進・昇格、◎就業管理、◎残業管理、◎福利厚生、
◎環境整備、◎労働安全衛生・・・など
↓
�ざ般海凌觜�
↓
�ド床繊κ鷭轡轡好謄爐寮鞍�と運用
↓
�μ椹悗垢發�
◎目的意識
◎モチベーション
◎能力開発
◎仕事の品質向上
◎担当職務の拡大と充実(レベルアップ)
◎組織の活性化
↓
◎より高度な部門方針・目標設定
◎会社の付加価値向上に向けた基盤整備
◎全社経営戦略のレベルアップ
≪補足説明≫
人事管理に属する業務は様々ですが、最終的には会社戦略の実現に寄与することが目
的です。
従って、全社の短期・中期の経営戦略の元、当該部門としての方針・目標を明確にし
施策レベルまでに落とし込むことが大前提となります。
ちなみに、人事管理関連の業務は上述した通り様々な業務がありますが、これらの業
務を全社の管理部門業務として捉えた場合、その関連業務である総務・法務・財務・
経理などとの連動により、会社戦略の実現に向けた“管理”活動を実践していく必要
があります。
そして、これらの業務は当該部門の方針・目標とリンクさせることが必要であり、例
え、ルーチン業務と言えどもその目的を個々の社員は自覚し、日々の業務改善・改革
により、業務の品質を高めていかなくてはなりません。
また、ルーチン業務の確実な遂行もさることながら、これらの業務の戦略的な整備や
開発が必要です。
社内外の環境変化や会社戦略に適応した仕組みやシステムの整備・開発に主体的に取
り組むことで、上述した人事管理の4つの役割のレベルアップ、更には様々な会社リ
スクの防止につながります。
そして、これらの業務を効果的・効率的に実施するためのサポートシステムとして、
「評価・報酬システム」があります。
但し、サポートシステムと言っても、人材育成(スキルとモチベーション)や付加価
値(数値目標)の獲得に向けて大変重要であり、人事管理の肝となるシステムです。
これらの、「部門方針・目標⇒人事管理業務の遂行⇒評価・報酬システムの運用」を
適切に回すことで、全社(又は管理部門)目標のレベルアップ、人材育成や付加価値
獲得といった、全社的な「善の循環」が実現するのです。
管理部門の役割
管理部門は直接付加価値を稼ぎ出す部門ではありませんが、人・資産・資金の効果的
な運用・管理を通じて、付加価値獲得部門(営業部門など)を支援したり、会社の成
長発展を阻害する様々なリスクを予防する部門です。
また、管理部門の業務には、前述した人事管理業務の他に、総務、株式、文書管理、
稟議、印章、資産、購買、庶務、対外関係、企業法務、財務(債権債務、入出金管理、
資金の調達運用、経費管理など)、経理(月次・期末決算、監査対応、税務計算・申
告など)・・・など様々です。
このような年次・月次・週次・デイリーのルーチン業務の正確性・迅速性、効率性
(改善・改革)はもちろんですが、これらの業務を戦略的に整備・開発することで、
人・資産・資金といった観点から新たな付加価値獲得に向けた基盤を整備するといっ
た役割も求められます。
もし今、あなたの会社が、人材育成や会社業績に関して特に問題はなく、組織風土も
好ましい状態が保たれ、そして、優秀な人材の確保や採用後の動機付けの仕組みが機
能しているとしても・・・
会社はいろんな意味において成長発展が義務付けられており、変化に対応した社内管
理体制作りや仕組みの導入、更には、既存業務の見直し、あるいは戦略的な業務の開
発が必要となります。
そして、これらの改善・改革は、トップの強力なリーダーシップは言うまでもありま
せんが、実行部隊として企画・立案や指揮・実行を担当する「管理部門」の強化が必
要となります。
管理部門の業務は全社に共通的に影響を及ぼす業務がほとんどですので、管理部門と
しての主体性を大いに発揮する必要があります。
また、他部門固有の体制・仕組み・業務は当該部門の責任の元に改善改革を実行すべ
きでしょうが、これとて管理部門としてのサポートが必要です。
管理部門の業務と人材の弛まぬ進化は、会社の成長発展の肝なのではないでしょうか。
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- 千葉県柏市亀甲台町1−19−9
【代表者プロフィール】 ◆山藤茂。経営コンサルタント。中小企業診断士。 ◆「人事制度と儲かる仕組み」実践会・「タイムマネジメント」研究会を主宰。 ◆?日立製作所(人事勤労部門)に14年在籍しH3年に独立。 ◆近年は、「人材育成と儲か …
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