人事評価制度の3つの段階の価値

「人材育成の仕組みと業績向上の仕組み」を組み込んだ人事評価 …

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【人材育成の仕組みと業績向上の仕組みを組み込んだ人事評価制度とは】

 


前回より計6回シリーズで人材育成と業績向上を実現する人事評価制度について、ご紹介

しています。今号のテーマは下記の第2回目のテーマです。

 

第1回目:人事評価制度と企業競争力の関係
第2回目:人事評価制度の3つの段階の価値
第3回目:人材育成の仕組み事例(第2段階の価値の獲得を目指して)
第4回目:業績向上の仕組み事例(第3段階の価値の獲得を目指して)
第5回目:スキルアップの状態を可視化する
第6回目:人事評価制度から何が見えるか、何を見るべきか

●人事評価制度の3つの段階の価値とは
 人事評価制度の本来の狙いは「人材育成、組織活性化、業績向上」です。
そして、これらを実現するためには下記の3つの段階の価値を確実に実現(ステップアッ
プ)する必要があります。
◎第1段階:より適正に評価し確実に処遇に反映➡「制度としての価値」
◎第2段階:人材育成と組織活性化➡「企業体質改善手段としての価値」
◎第3段階」数値成果の獲得➡「新たな付加価値獲得手段としての価値」
簡単に言うと、形を整え(第1段階)、魂を吹き込み(第2段階)、結果を出す(第3段
階)ためのステップです。
私が今まで関与させて頂いた企業やある程度面識のある企業の全体を母数とした場合、そ
の内の約60%が第1段階に留まっています。
それでは残りの40%が第2・第3段階かといいますと、実はそうではありません。
大体20%程度です。そして残りの20%はというと、第1段階ですら到達していない企
業です。
しかしこれらの企業が業績に四苦八苦しているかというと必ずしもそうではありません。
これが経営の奥深いところなのかもしれません。でも、第2・第3段階がそれなりに実現
している企業は業績が良いといった傾向は間違いなくあります。
いずれにしても、この3つの段階の価値を一気に駆け上がるための制度作りとその運用が
必要
なのです。
 
●第1段階〜制度としての価値
人事評価制度の狙いを実現するためにまず大切なことは、「制度としての価値」が存在する
ことです。すなわち、資格・評価・賃金・目標管理・教育などの各制度です。
制度としての価値が存在しない限り、これらの本来的な狙いの実現はありません。
やはり最終的には評価結果によって処遇を決定するわけですので、より適正に評価し確実
に処遇(昇給・賞与・昇格など)に反映できる制度そのものが必要です。
しかし、この第1段階でつまずいてしまっている会社が大変多いのも現実です。
 
●第2段階〜企業体質改善手段としての価値
第1段階の制度としての価値を備えていることが前提です。
しかし、適正に評価し処遇に反映させた結果として、人材育成や職場の活性化につながらな
いと、その価値は半減どころかほとんど意味のないものになってしまいます。
仕事ぶりの現状と改善課題を本人自身が自覚し、上司が適正にサポートすることで、モチベ
ーションやスキルの向上が図れる仕組みが必要です。
例えば、部下指導力といった評価項目を設定し基準を詳細に整備すれば、おそらくより適正
に評価はできるでしょう。
でも、評価することが本来の狙いではありません。部下指導力そのものを高め、実際に指導
を通じて部下の成長を実現することこそが本来の狙いなのです。
このためには、評価といった単体としての枠を超えて、部下指導力強化に向けた具体的な仕
組みが必要です。
ちなみにこれは、部下指導力に限らず全ての評価項目に言えることです。
また、コミュニケーション・リーダーシップ・企画力・問題解決力などのように、定性的な
評価しかできないようなスキルの伸長度合を可視化し指標化する仕組みや、更には業務生
産性向上(ホワイトカラーの労働生産性向上)の取り組みと人事評価制度を合体した仕組み
などがあります。
 
●第3段階〜新たな付加価値獲得手段としての価値
制度としての価値や企業体質改善手段としての価値が実現できたとしても、これらが会社
の売上や利益に直結するとは限りません。
中長期的には会社の業績に寄与するとしても、多くの場合、すぐに寄与するわけではありま
せん。
会社の将来を見据えた企業体質改善の努力はとても重要ですが、体質改善とほとんど同時
並行的に売上・利益の向上が実現でき、しかも継続性があればどうでしょうか。
それこそ、鬼に金棒です。
どのような制度や仕事も最終的には売上・利益につながらないと会社の存続は望めません。
社員のモチベーションアップやスキルアップの結果を会社の業績に変換できる自社オリジ
ナルで具体的な仕組みが必要です。
例えば、営業活動のステップ管理(活動の可視化)との連動の仕組みです。
営業活動のステップ管理とは、営業活動プロセスを進捗に応じていくつかのステップに分
解し、それぞれのステップでゴール(実現すること)とその条件(ゴール実現のために行う
こと)を整理し、実践・検証・改善を繰り返して自社の営業の成功パターンを作り出す仕組
みです。
このように各ステップでの取り組み内容を可視化することで、営業マン自身が自分の課題
の振り返り・特定化ができ、改善策を考えることができるようになります。
その結果、モチベーションアップ、スキルアップに貢献します。
そして何よりも、自社の成功パターンとしての営業活動ステップは業績の底上げを図るこ
とができます。
すなわち、それぞれの活動ステップを評価と連動させることで、本物の問題解決型・成果創
出型の評価制度が実現できるのです。
また更に、人材採用や営業活動の効果的なツールとして人事評価制度を活用することも可
能です。
 
以上が3つの段階の価値です。自社オリジナルな制度を策定しルール通りに運用しても、そ
れだけで人材育成や業績向上が実現できる程、単純で甘くはありません。そこには必ず具体
的な仕組みが必要です。
 
●3つの段階の価値の仕組み化で「人の改善・仕事の改善・組織の改善」を実現
ちなみに、人事評価制度の運用上の代表的な問題点をご紹介しますと、
・制度はあるものの人材育成が実現しない、動機付けにつながらない
・社員に負担感が大きい(特に管理者層)、人件費ばかりが増えてしまう
・評価者の評価レベルが低い、評価後の指導育成ができていない
などですが、これらが横行する負の循環を断ち切り、「人の改善(スキルとモチベーション)
➡仕事の改善(QCD)➡組織の改善(生産性)」といった“善の循環”
を作るためにも3
つの段階の価値は欠かせません。
 「理念・ビジョンに適う仕事ぶりを制度に反映(前号参照)」させ、「3つの段階の価値を仕
組み化」
することで、人と仕事と組織のレベルアップを図るのです。
「何年かかってもいいから腰を据えてじっくりステップアップして行こう」といった意識
では、何年かかっても第1段階ですら実現できません。
会社の戦略を人材面で具体化し、それを支え、結果として具体的な数値成果までをも求める
ものが人事評価制度なのです。
人事評価制度を単なる制度として運用するだけでなく、人材育成と業績向上を同時に実現
させる自社の「基幹システム」として位置付けて運用することが、今この時期、必要なので
す。
 
・・・・・

ビジネスコラム提供者情報

  • コンサルタント:人事・組織
  • サントウ経営事務所
  • 千葉県柏市亀甲台町1−19−9

【代表者プロフィール】 ◆山藤茂。経営コンサルタント。中小企業診断士。 ◆「人事制度と儲かる仕組み」実践会・「タイムマネジメント」研究会を主宰。 ◆?日立製作所(人事勤労部門)に14年在籍しH3年に独立。 ◆近年は、「人材育成と儲か …

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